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ALKINIST -あるきにすと- ケニア

Malaba 

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コーラを飲み、休憩していたら、強い風が吹き、空を見上げればどんよりとした厚い雲に覆われていて、「雨が降るぞ」と商店の店主。

ウガンダ国境に接するマラバは目の前だったので歩き始めるが、ポツポツと腕に雨粒を感じ、懐かしい雨のにおいがした。
9月上旬にアレクサンドリアを発って以来、わずかに雨が落ちたエジプト・マルサアラム、エチオピア・ゴンダールでの夕立があったくらいでしかなく、歩行中に雨に見舞われた事は1度もない。

懐かしさを覚えながら東南アジアで雨に見舞われた時の事を思い出し、最も取り出しにくい場所に収納されている雨具を荷物の上部に移動させないといけないなと考える。
乾いた腕に落ちる雨粒が気持ちよく最初は楽しんでいた雨だが、次第に雨脚は強まり、衣類は濡れ始め、早足で避難場所を探しながら歩いた。

民家の軒先に逃げ込んでいる人の姿があったので、そこに逃げ込めば、その後2台の自転車とバイクが同じように逃げ込んできた。

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パラパラとトタン屋根を叩く雨音を聞きながら、現地人と一緒に雨宿りというのも懐かしいものだなと思う。

Webuye 

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キタレからウガンダ国境の町マラバまで120キロ。
60キロ先、ちょうど中間地点にウェブイエという町があるので、スーダン以来3ヵ月振りの60キロ歩行。
トゥルカナ族の小さな集落が点在するだけの北部とは全く違い、交通量もあり、人口密度もそこそこ高い場所なのでわずかながらの不安と緊張感を持っての歩行。


夕方、子供達の下校時と重なってしまい、路上には多くの子供達が溢れていた。エチオピアなら頭を抱えたくなる展開だけど、ケニアの子供達は「ユー、ユー、マネー、マネー」などと口にしないし、集団で追跡する事も、石が飛んでくる事ももちろんない。
エチオピア南部の民族エリアまで大きなストレスであり天敵だった子供だが、ケニアではいたって平穏な心を保っている。なぜエチオピアの子供達はあんな感じだったのだろうかとエチオピアでの事を思い出しただけで、苛立ち、心が乱れてしまう。

日没前にウェブイエ着。2軒の宿で料金を尋ねるが、30ドル近かったり、10ドル超だったり、高過ぎる。
「安い宿はありませんか?」と2、3度現地人に尋ねるが、「安い宿はセキュリティが万全ではないよ」とやとらと安全面について力説された。
キタレ以南は問題ないと言われてはいたけど、やはりケニアは危ないのだろうかと不安を感じながらも、なんとか約3ドルの安宿を見つけチェックイン。安ければ屋根壁に守られた最低限セキュリティで十分なのだ。

ケニアでの不満を挙げるなら、あまりよろしくない治安。
そして約1.5ドルと安くないビール。エチオピアならコーラの1.2倍くらいでしかなかったが、ケニアではコーラの5倍もするので割高に感じる。

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さらに肖像が全て同じの紙幣か。金を渡す時、念入りに見ないといけないので面倒だ。

Kitale 

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エチオピア南部からケニアへの歩行についての詳細は書かないけれど、カザフスタンの悪路、エジプト・東方砂漠の熱風、スーダンの酷暑と、これまでの過酷な経験が合わさって苦痛も3倍増しという所だった。
さらにはサソリが地面を這い、標高500メートルまで下がったこの地ではマラリアを媒介する蚊にも注意を払わないといけない。

夜明け前から暑くなるまでの数時間を歩き、その後は木陰で横になる。といっても絶えず強い熱風が吹きつけてくるので体力を奪われ、全く休憩にならないのだけど。
ぐったりと地面に倒れこんだ自分を横目に時折ヤギを放牧するトゥルカナ族の男達が通り過ぎていくが、この暑さの中よく歩けるものだ。
この地で生まれ育った彼らにとっては日常なのだろうと朦朧とする頭の中で思う。

暑さが和らいだ夕方から歩き始めようと思っても消耗した体は思うように動かず1日20キロも歩けない日が数日続き、そんな環境を200キロ超歩き続けた。

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警察に宿のおばちゃん、バス会社の男など、皆が銃を持つ仕草をし、「デンジャラス」と口を揃える北部の危険地帯の歩行を避け、およそ300キロのバス移動。現在はキタレにいる。

今回のアフリカ大陸縦断計画において最大の不安は強盗が多発するケニア北部であり、バスを使う事に対しても割り切っていたけれど、いざバスに乗ってみればもやもやとした気分だけしかなかった。ここまで45000キロ超歩いてきて、治安上の問題を理由に足跡を残せなかったのはここだけなのだからそれも当然か。
この区間を歩いて何も起こらない可能性はもちろんあるけど、リスクを冒す必要はなかった。



キタレはそこまで大きな街ではないけど、スーダンにもエチオピアにもなかったような大型スーパーがあり、モノが溢れていた。ケニア入りしてから感じていた事だが、皆きれいな服を着ているし、キタレではネクタイを着用したビジネスマンの姿も目にする。

エチオピアを離れてからの違和感はそれだけではなくて、異物が喉に引っかかったような感じでそれがなんだか分からなかったのだけど、新聞だった。
さすがは東アフリカ一の大国ケニア。この国は新聞を読む人が多く、朝のカフェはティーカップ片手に新聞を広げている人が多いのだ。

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とまあこんな感じでこれまでのアフリカ諸国との相違点を探すのは面白いし、人も親切で飯もうまい。恐怖心しかなかったケニアだけどこの国を好きになりつつある。
これからたっぷりケニアを歩くぞーと言いたいところだけど、ウガンダまで120キロ、3日も歩けばウガンダなのである。