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ALKINIST -あるきにすと- メキシコ

Oaxaca 



オアハカでは2日半の休養をとった。
念入りに体を洗い、洗濯をし、穴のあいたチューブの補修、あとはひたすらダラダラ。街歩きは少々。

日本人経営の宿があるらしいけどそちらへは行かず。
22日歩き続ければグッタリするくらいの疲労が蓄積し、とにかく誰にも干渉される事なく、ゆっくりリラックスしたかった。
日本人がいる所へ行けば、自己紹介から始まり、「なんで歩いてるんですか」的な質問を受け、日本人ならではの気遣いが必要だったり、とにかくめんどくさいので。

どうでもいい話だけど、歩いている事を話した時、「すごい」と言われるのが本当に嫌。
自分の好きな事を好き勝手やってるだけなので。


じゃあすごい人というのはどんな人なのだろうと思いながら歩いていたんだけど、自分の人生を犠牲にして誰かのために生きる人かなと思う。
ウガンダで出会ったカマウさんの事が頭に浮かんだ。

あの時は自分もカマウさんの背中を見て「誰かのために生きたい」と思った。
一時的に気分が高揚してそう思うのは簡単だけど、それを実行に移し、信念を貫くというのは簡単な事ではない。
もっと楽な生き方があったはずだけど、そっちに逃げようとは思わなかったのか。
沢山の話を聞かせてもらったけど、聞きたい事はまだまだある。もう一度会いたい。

連続歩行22日目 



Totolapaからは1000メートルの上りがあり、オアハカへの最後の難所と思っていた。
しかし実際は緩やかな上りが25キロに渡って続くだけであり、ここ数日の上りと比べても遥かに楽で全く大した事がなかった。

ちなみにこれまでで最もきつかったのは20キロで2000メートル高度を上げたチリからボリビアへの上り。
それに比べたら25キロで1000メートルなんて余裕過ぎる。

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相変わらず土砂崩れ現場が多い。

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下った先でフェメリツァというものを初めて食べる。
パリパリの生地にチーズと豆がのっている。

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何も頼んでいないのにWiFiを使わせてくれ、コーヒーを出してくれたおばちゃん。

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最近よく買うウエハースなんだけど、とても長い。

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オアハカまで40キロ。

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パンをもらったのだが、これが最高に美味しかった。
どこのパン屋なのか、オアハカで買えるのか、聞きそびれたのが悔やまれる。

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Tlacolulaまで歩き、救急車の後ろにテントを張らせてもらった。

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地震が頻発しているので大量の救援物資が積まれている。

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多分備蓄されている非常食だと思うが、夕食にインスタントラーメンをいただいた。
翌朝は1.5リットルの水2本とツナ缶を5缶持たせてくれた。

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グアテマラ・アンティグアから22日目、オアハカに到着。
毎日歩いて総歩行距離は950キロ、毎晩テントを張り続け、シャワーを浴びたのは5回だけ。
メキシコの皆さん、毎晩テント設営場所の提供を本当にありがとうございました。
膝痛、酷暑、山、雨、地震と色々あって、ペースはあまりよくなかったのだけど、数日休んで一旦リセットしようと思う。

Totolapa 


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花と虫の観察は続く。

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歩き始めより上りが続き、460メートル高度を上げるも、一気に560メートル下る。

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El Camaronという村。

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歩みは遅いけれど着実に近付いている。

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村を抜けて、坂を上っていたら停車した車から冷たい水とクッキーが手渡された。
ドライブのお共として買ったに違いなく、申し訳ないなと思うんだけどそれ以上にその気持ちがありがたかった。

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地震のせいかやたらと土砂崩れ現場を目にする。
地震発生時、屋内にいるよりは安全だけど、土砂崩れは危険だなと思った。

El Camaron以降は決してきつくはないアップダウンを繰り返したが、前日同様暑さと疲れで何度も足を止める。
アンティグアから毎日歩き続け、疲れが溜まっているのは明らかだけど、暑さと上りに対する耐性が随分となくなった気がする。

右目に違和感があり、涙が出てくるし、目を開けているのがつらい。鼻水も出るのだが、花粉症か?花粉症になった事がないので分からないけど。

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さらに10キロ歩くつもりでいたが、San Jose de Graciaにて歩行終了。
最近は暑さに加え、上りも多く、大量の汗をかいているが、シャワーを浴びれる機会は全くなし。
腕をこすれば、消しゴムのカスみたいな垢がボロボロと落ちてきて汚い。

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翌朝はパラパラと雨が降っていたので出発を少し遅らせる。
強烈な陽射しに照らされるよりは全然良い気候。

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しかし雨が強くなり始めたので1時間弱雨宿り。

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緑の中にあって分かりにくいが、ポツポツと立っているのはサボテン。

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400メートル上って、300メートル下る。

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ガソリンスタンドでのテント設営を断られるも、すぐ近くの場所を紹介してもらった。
ガソリンスタンドには屋根がなかったし、すぐに雨が降り始めたので結果的にはこちらにテントを張れて良かった。

El Coyul 



Mariluを出たところから本格的に山へと入っていく。
楽ではないが、きついという程でもない緩やかな勾配。

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200メートルから800メートルまで上り、La Reformaという村で昼食。
高度が上がった事が関係するのか分からないけど、雲が多く、序盤はとても快適な気候。

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スープ。
おばさんが親切でスープを注ぎ足してくれた。

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ここから一転して下り。
200メートル下った先に村があり、ここからまた900メートルまで上る。

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今日の目的地の村El Coyul。

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毎日屋根下にテントを張れている。
テント場所を提供していただける事は本当にありがたいです。

Marilu 

前夜は強い揺れではなかったものの地震で目を覚ました。
テント泊なので建物の中にいるよりは安全だと思うけど、毎晩雨が降るのでテントは屋根下に設営。なので100パーセントの安全はない。
テントが雨に濡れても30分もあれば乾くはずなので、本当に地震が怖ければ、屋根下などに張らなければ良いだけの事なのだが、やっぱり雨に濡れるのって嫌なので、リスクを覚悟で屋根下にテントを張り続けている。

プエブラで発生した地震の犠牲者はメキシコ人だけでなく、外国人も含まれているという報道を目にした。
別に悲観的になっているわけではないけど、いつどこで何が起こるか分からない。
毎日を丁寧に大切に生きたいなと思うようになった。

今歩いている道も単調で退屈な景色だけど一生に一度の景色に違いないし、歩行中に出会う人も一生に一度の出会いなのだ。
そう考えると退屈だと思っていた景色も違って見える気がする。



だからか知らないけど道脇で咲く花にカメラを向ける事が増えた。
実際きれいだし、良い気分転換になるのだけど。

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町の市場でタコスを食べる。
2つじゃ物足りないけど、4つも食べればまあまあ満足。
1時間程足を止めている間に一気に暑さが増した。

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コンビニで冷たい6リットルの水を買い、荷台に積み込む。
とにかく暑く、体がだるく、重く、何度も休憩をとった。
50キロくらい歩くつもりでいたけどこの暑さと体調では無理っぽい。

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無理してもしょうがないので、Mariluという村で早々に歩行終了。
39キロしか歩けず。

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小さな商店脇にテントを張らせてもらったのだけど、日曜日という事で村の男達が集まりビールを飲んでいた。
1リットルの大瓶15本くらいをすでに開けていて、「一緒に飲まないか」と顔を赤らめた男からお誘いをいただく。

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肴は卵。
ピンポン玉みたいにやわらかい。
見た事ある卵だなと思い、「ウミガメの卵ですか?」と訊いてみると、「そうだ」との返答。
「食べてみろ」と促される。

遠い海から産卵のためやって来て、穴を掘り、涙を流しながら卵を産むウミガメの事を想うと申し訳なさを感じたが、好奇心の方が勝った。
おじさん達が食べるのを見て、同じ様に殻を少し破り、そこにライムと塩、ピカンテをつけて卵を啜る。
茹でられているので温泉卵のようにトロトロ、悪くない味だった。

Las Tejas 

1時間程歩いたところで強い揺れを感じた。
グアテマラでも何度か地震があったが、それらとは比べ物にならない強さ。
幸い短い時間だったし、路上にいたので恐怖心もなかったのだが、マグニチュード6.1の地震で震源地近くだった。
強くはないものの、その後も何度か揺れた。



約3時間歩いてJuchikita到着。
道脇のタコス屋が繁盛していたので立ち寄る。

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うむ。美味しい。

そこそこの大きさの街なのでスーパーで買い物するつもりでいたが、2軒のスーパーは閉まっていた。

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土曜日は営業しないのだろうか?今日は何か特別な日なのか?
そんな事を考えてみるのだが、全てのコンビニもシャッターが下ろされた状態で絶対におかしい。

現地の人に尋ねたところ、朝の地震が原因なのだとか。
「そこまでの地震か?」とも思ったけど、「朝の地震で転んだ」とおじさんは傷を見せてくれたし、商品が散乱してしまうレベルの地震だったのかもしれない。
「何も買えないけど食料はあるの?」と気遣ってくれる家族もいて、やはりメキシコ人は優しいなと思うのである。



この先の町で地震の震源地が7日の地震で大きな被害を受けたフチキタである事を知った。
その時は何も気付かなかったが、歩行終了後テントでフチキタがどの辺りにあるのか調べてみたら、朝通過した町だったのでとても驚いた。Juchikitaがフチキタだった。

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7日の地震というのがアンティグアを発つ前夜の地震で、強い揺れではなかったがグアテマラでも長く揺れた。
マグニチュード8.1、何気なくシャッターを押したこの光景が地震の傷跡だった。
街外れには仮設の救護所が設けられていたし、頻繁に行き交う軍の車両についてもそういう事だったのかと合点がいった。

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JuchikitaからTehuantepecへの間は何もなく、どんどんと飲料を消化していく。
Tehuantepecもコンビニ、スーパーは全てシャッターが下ろされていた。

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初めて現れたオアハカへの距離標識。
ここから先、山へと入っていく。

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毒を持っていそうなクモ。
蹴ろうとしたら素早い動きでかわされたので、むやみに近付かない方がいいなと学ぶ。

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Las Tejasという小さな村でテントを張らせてもらった。
ここの人がすごく親切で「ご飯を食べるか?」と夕食を持ってきてくれた。

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カルーラという料理。ナンみたいな生地にチーズが挟まっている。

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グアテマラでお会いした日本人のおば様に「お世話になった現地の人に渡してほしい」と扇子を預かっていたのだが、親切なおじさんに贈呈する。

La Ventosa 

今歩いているところはやたらと軍の車両が行き来している。
何かに備えるように荷台に設置された機関銃を持っている兵士、顔を覆面で隠した兵士など、連日何度も目にしている。

前方からまた軍の車両がやって来たのだがそれはいつもの事。
しかし荷台に乗った兵士が何かを路上に投げ、「拾え」とジェスチャーで示した。
路肩に転がったものを取りに行くと、緑色のパッケージでポテトチップスのよう。
この辺りは商店もなく、腹を空かせて歩いていたので、待望の差し入れに心弾ませたのだけど、手にしたものはずっしりと重くポテトチップスでないのは明らかだった。



ツナでした。しかも1.8キロという業務用サイズ。
連日ここを歩いている姿を見てくれていたのだと思う。グラシアス。

しかしどうやってこのツナを消費すればいいのか……。
アスファルトに投げつけられた時の衝撃で袋は少し破れた状態。
冷蔵庫などあるはずなく、暑い中持ち続ければ悪くなるのは確実。
嬉しい差し入れだけど悩ましい。

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この辺りは延々と風力発電の風車が続いていた。
その数1000基以上。これだけの数を目にしたのは初めてだ。
そして食堂も商店も現れる事なく、空腹と渇きを感じながら歩いた。

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ようやくタコス屋が現れたので休憩。

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陽が西に傾きつつある中、歩き続ける。
この辺りも風力発電の風車が多い。

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するとまた軍の車両が前方で停止。
下りてきたおじさん兵士に渡されたのは水の缶を24缶。
水道水を飲めないメキシコで水はとても貴重なので嬉しい。
それにしてもなぜ今日はメキシコ軍がこんなにも差し入れをくれるのだろう?
ツナと水で10キロも重量が増したけど、とにかくムチャス・グラシアス!

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La Ventosaのガソリンスタンドまで歩きテント。
54キロ歩きました。

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建設中の風車。
これをどうやって組み立てるのだろうといつも思っていたのでこういうのが見えるのは嬉しい。