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ALKINIST -あるきにすと- 2012年03月

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旅の友 

歩行再開前日。
指折り数え、カウントダウンする日々ももう終わり。
明日よりまた時速5キロの日常へ戻る。


アデレードより靴やジャケット、エアーマットなど不要なものを日本へ送り返し、軽量化したつもりでいたけど、荷物をまとめてみれば思っていた以上に重い。

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それもそのはずでワインとビールで約5キロ。
半減させる事も考えたけど、どうしても一緒に行きたいとボトルと缶が語りかけてくるので、一緒に連れて行く事に決めた。

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労働終了 

気温40度超の酷暑。
さあには十分な飲料水を持ち歩く事ができるか不確か。

アデレードで足を止めるべきか否かを連日考え、悩んだ12月。
仕事を見つけ、夏が過ぎるのを待つ事にしたものの、多くの葛藤があり、苦渋の決断だった。心のどこかに負い目、後悔みたいなものがあった事は否めない。
一体こんなところで何をしているのかと。


気温50度に達したカザフスタンの夏、長い無人地帯。
ロシアでは羊飼いに襲われ、ウクライナでは荷物を盗まれた。
そして極寒のブルガリアで負った凍傷。

季節を理由に足を止めることはせず、暑かろうが寒かろうが、とにかく西へ西へ、ひたすらロカ岬を目指していたユーラシアでの日々と今とを比べた時、執念とか執着心とかモチベーションとか、ありとあらゆるものがあの時より劣っているのは明らかだった。


カザフスタンで50度経験してるよな?
熱中症も経験してるよな?
でも歩いたよな?
歩き抜いたよな?
なのになんで今歩かないのか?


歩けないのであればそれは全く問題ないけど、挑戦する事なく歩かないという腑抜けた選択をした事に対する自己嫌悪。



そんな事をたまに思いながら4ヶ月近く働いてきたのだけど、本日をもってようやく終了。

時折感じた後悔や自己嫌悪はワーカーの皆とお別れした時、綺麗に消えてしまいました。
仲良くしてたTimとハグした時、ここで働けて良かったなと、こいつと会えて良かったなと心から思う事ができた。Timだけじゃなくて他の人もね。


これから北を目指します。
今一度ユーラシアでの気持ちを思い出さなきゃです。
あの狂ったように西を目指した時の気持ちを。

I'm still walking. 

「日本に帰った?」
「今どこにいるの?」
「まだ歩いているの?」


北米も豪州も当初は歩く予定はなくて、自分でもよく分からぬまま、気まぐれで歩く事となった訳で、中央アジアで出会った人達はまさかポルトガルまで歩いた後、北米も横断して、今は豪州にいるなんて思っているはずもなく、彼らと別れた後の事などを簡単に説明して、"I'm still walking"と結ぶ。

中央アジアで会ったスイス人、オランダ人、あるいはカナダ人。
ピレネー近くで会った徒歩旅行者のオランダ人、その他北米で出会った方々。
挙げていけばキリがないけど、この2ヶ月程の間に近況を尋ねられる事数え切れず。

またこれから近況を尋ねてきたリトアニア人に"I'm still walking"と送るのである。
リトアニアへ行った事もなければ、リトアニア人とも会った事ないんだけど、インターネットニュースで知ったのだとか。



歩行再開3日前。

毎朝出勤のため向かう駅へ至る景色、上り坂、丘から見下ろすアデレードの街、仕事場のソファからの視界。
アデレードに滞在すること5ヶ月弱。
何気ない景色、当たり前であるがために特に意識する事はなかったけど、この日常もあと数日と考えると、日常生活、些細な事や景色であっても、なんだか特別なものに感じられ、愛おしく思えてくる。

興奮して武者震いして、モチベーションは非常に高い。

歩行再開1週間前 

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豪州入り後、日本から車輪を送ってもらい、新しいものに換えて歩くつもりでいたけど、片輪はカナダで車輪トラブルに見舞われた際、大枚はたいてスポークを張り替えたばかりだったので、メルボルンでの交換は見合わせていた。

装備品のチェック、メンテナンスついでに車輪を確認してみれば、カナダでスポークを換えた側は十分な強度を保っているけど、もう一方の車輪が少し怪しい感じだった。

ギリギリまで使えばあと1000キロはいけるかもしれない。
しかし今後長い無補給区間を歩く時、大量の水や食料を積むのは確実だし、車輪の換え時を誤ればタイヤに負担がかかり消耗が早くなってしまう。
スペアタイヤならまだしも車輪の予備を2輪も持ち歩くのは重いし、かさばるし、嫌だったので無難に車輪を交換しておいた。

思い返してみれば、ウクライナでこの車輪に換えてから2年超、ユーラシア、北米、豪州と3大陸、約14000キロを共に歩いてきたわけで、とにかく感謝の気持ちで一杯だった。
よく頑張ってくれた。今までありがとう。

どこまでいけるかは分からないけど、同じくウクライナから使っているもう一方の車輪は引き続き使用する。

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今後はアボリジニ文化の史跡が多く残る内陸を進んでいくのでアボリジニフラッグのステッカーも貼っておいた。

歩行再開9日前 

荷物が届いた。



豪州縦断は今後最長で5800キロを歩行予定。
現在予備タイヤは2本持っているけど、当初の予定から歩行距離は大幅に増えたので念のためさらに1本予備タイヤを追加。
もちろんこれまでの24000キロを支えてくれたIRCタイヤ。

さらにHDD。
写真データはHDD2つに保存しているけど、上海出発から3年以上が経過し、今後更に1年以上歩く予定で容量がそろそろ一杯になりそうなので。
リヤカーの荷台で常に揺れ、デコボコ道で何度も上下し、-20度から50度まで苛酷な環境下にいながらもびくともしない耐衝撃に優れたバッファローのHDD。

両社には出発時より本当にお世話になっています。ありがとうございます。


カナダから日本へ送り返した日本代表ユニフォームをまた受け取るという無駄な事をしてしまった。行く予定はないけど6月にWCアジア最終予選豪州戦があるので念のため。

あとは食料や本、パンク修理用のパッチなどを少々。


歩行再開9日前。とても順調です。

ガンバ 

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愛国心に溢れた人間なので、旅先にも日本代表ユニフォーム、日の丸を携帯。
すぐ近くで日本代表の試合があれば駆けつける事ができるようしっかりと準備し、公式戦から親善試合までアウェイでの日程も常にチェック。

実は今回の歩行中も日本代表の試合が予定ルート近くであって(イングランド戦@スイス)、試合半年前のウクライナ滞在中からどうしようかと悩んだけど、ルート変更せずアドリア海沿岸を歩きたかったし、ブルガリアで凍傷を負った影響もあり、結局断念。

WCはコートダジュール・ニースのオシャレなバーで青い代表ユニを着用、正装し、オランダ戦を観戦。

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さらにはフランスの田舎の村でテレビを探していたところ、招いてくれた画家宅にて正装し、パラグアイ戦を観戦。両方とも負け試合だったけど。


A代表だけじゃなく、オリンピック、クラブの日程もチェックしてるんだけど、AFC Champions Leagueという大会があって、そういやアデレードにも強いクラブチームがあったはずと、ACLの日程をチェックしたのがメルボルン滞在中の事。
豪州のチームは2チームあったけど、いずれもアデレードではなく、残念ながら今年は出場しないのかと納得していたのだけど、ちょっとした調べものがあって再びACLの日程をチェックしたのが2週間前。
数ヶ月前に見た時はなかったアデレードユナイテッドがプレーオフを勝ち進み出場するらしく、しかも3月中旬にアデレードにてガンバ大阪戦が開催されるという素晴らしすぎる日程。

チケットを買って、日の丸を持ってスタジアムへ足を運ぶのは至極当然な事なのである。


試合内容は割愛。

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日本から応援に来られたガンバサポは5人くらい。
「今回日本から来たコアサポはこの5人だけですか?」と尋ねてみると「いや、うちらコアサポじゃないよ(笑)」と返されたのだけど、高い飛行機代払ってわざわざ豪州までやって来るなんて十分コアサポですって。

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はるばる大阪からやって来た彼らは大人気で写真の依頼も少なくなかった。

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ぼくもミーハーなんで一緒に撮ってもらいました。
サービス精神旺盛で「これかぶりな」と帽子をかぶらせてくれた。ありがとうございます。

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シドニーオリンピック 日本-米国戦が開催されたスタジアム。
当時の事を思い出した。

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遠藤、加地、明神、今野、二川など日本代表経験者、WC経験者も多いのだけど、やはり1番人気は遠藤。
見所の少ない試合の1番の見所は遠藤がコーナーを蹴りにすぐ近くに来た時。

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敗れ肩を落とす遠藤。

1200日振りのすき焼き 

今後オーストラリアは最長距離で5800キロを歩く事になるのだけど、メルボルンから履き始めた靴1足だけでは厳しいと思われる。
ここまで約1000キロを歩き、今後2000~3000キロは大丈夫だろうと考えているけど、どこでダメになるのか分からないし、砂漠地帯、無人地帯の多い今後のルート上で必要な時に確実に新しい靴を入手できるかは不確かなので、モノが溢れ選び放題のアデレードにて予備シューズを入手しておく事に決めた。

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北米横断時に使用していた靴は日本へ送る予定。さすがに3足の靴は重いので。

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アデレードにて靴や衣類など必要なものを揃える。

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夕食は日本食レストランにてすき焼き。

カレーやお好み焼き、ラーメン、寿司などはこれまで口にしてきたけれど、すき焼きは日本を2008年末に出て以来、3年超、口にした事はなかった。
最後に食べたのがいつなのかも覚えていないけど、少なくとも日本を出てから1176日、口にしていないのは確か。

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現在お世話になっているロブ・ダイアン夫妻はすき焼き初体験。
野菜や肉と運ばれてきた生卵をどうするのかも分からず、卵を割り器の中でかき混ぜるのですと指導し、野菜や肉を鍋に放り込み、グツグツと煮立てた。

オーストラリアにておよそ1200日振りに食べるすき焼き。
だし汁も日本のものと比べても遜色なく、懐かしく、感動的な味だった。


すき焼きを食べたし、もう思い残す事はない。
足がうずいてるけど、歩行再開は2週間後。

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