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ALKINIST -あるきにすと- 2012年07月

3ヶ月振りの雨 

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起床後、部屋の外へ出てみるとポタポタと雨どいから雫が落ちていた。
空を見上げればどんよりとした曇り空。
テラスから外の様子をうかがってみれば、路面が濡れていて、宿前に置かれているバイクのシートもわずかながら濡れていた。

雨だと判断するのにこれだけの時間を要したのは、自分にとって3ヶ月振りの雨だったからに違いない。


雨をしのげる場所が多くはなかった北米や豪州ではどんよりとした空を見る度に不安を感じ、「降るなよ、降るなよ」と祈ったものだけど、人口密度が高く、逃げ込める場所が多い東南アジアでは問題なし。
気温も高いので、雲が出て陽射しを遮り、降雨で気温が下がれば嬉しいけど、雨が降れば必ずしも快適な気候になるわけではなくて、今日は湿度が高かった。

パスポート待ち 

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ビザ延長の申請、歯医者、荷物の送付とクタでやる予定だった事は全て片付き、現在ビザ延長の手続きが終わるのを待っているものの、昨日からやる事なくて暇な状態。


エアコンの効いた室内でゴロゴロして、昼間から美味しいインドネシア料理をつまみにビールを飲んで、足のマッサージをしてもらって、またゴロゴロして、夜もまたビールを飲んで。
欲しいものや食べたいもの、ここではたいていのものが手に入るし、口にする事ができ、楽だし、ビールはうまいし、言う事ないはずなんだけど全く満たされておりません。

リゾート地での過ごし方といえばそうなのかもしれないけど、3日もあれば十分だし、こういうリゾート地って1人で来るべきではないです。
サーフィンもしないし、マリンスポーツなど一切興味ないのにバリ島のビーチエリアに1人で10日も過ごしてもしょうがないです。自分の場合ビザ延長待ちなんだけど。


色々と不便は多いし、特に何があるという訳でもないけど、テントを張りながら旅行者のいない田舎を歩く方が好きだし、そこで暮らす人達と接する方がよっぽど楽しいし、満たされるなと再確認している。

パスポートが手元に戻ってくるまで、あと3日。
10日超もこうダラダラとした日々を過ごすと腰が重くなるし、食い過ぎで体も重くなる気がするけど、不本意ながら引き続きダラダラゴロゴロ過ごします。

センチメンタル 



縁のないビーチではあるけれど、サンセットを見に2度足を運んだ。

空をオレンジ色に染め、西へ傾いていく夕陽をぼーっと眺めていると感傷的な気分になる。
陽はまた昇るとはいえ、もう2度とやって来ない今日という1日の終わり。
時間は無限ではないし、持ち時間も限られている。なんて普段考えない事まで頭を巡る。

幼い頃、遊び終えて家へ帰る時に見た夕陽、教室に忘れ物を取りに戻った時に見たオレンジ色に染まった教室などムダに思い出し、上海へ戻るまであといくつの夕陽を数えるのだろうなどと考えてみた。

予定距離はまだ1万キロ超あるけど、アジアに戻ってからは終わりを意識し始めている。

Denpasar 

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マチのほっとステーション発見。
今のところローソンは3店舗程見かけた。
バリ島を訪れる日本人旅行者は多いし、在住の人も多く、日本食レストランや日本語で併記された看板は頻繁に目にするし、アジアに戻って来て距離的な部分はもちろんだけど、日本が近くなったと感じる。

ローソンの一押しはおでんらしい。
しかしおでんなんて季節外れだし、しかもここは南国バリ。
日本食に飢えていてもおでんはちょっと遠慮したい。


リッチにエアコン付きの部屋に滞在中なので、とても快適なバリ島ライフを満喫中。
海は近いけどビーチリゾートとは無縁の生活で、今後の地図を買い、もうすぐなくなるコーヒーも買い、日本へ送る荷物をまとめたり。

バリでの最重要目的だったビザ延長も申請済み。
インドネシア人のスポンサーが必要とか無茶な事を言われ、結局代理店を通す事になり、痛い出費になったけど、まあ所詮お金で解決できる問題なので問題なし。



本日はビザ申請に次ぐもう一つの目的のためデンパサールへ。

豪州を歩いていた時から歯の詰め物が取れそうな感じだったのだけど、揚げバナナを食べながらクパンの港へ歩いていた先週、遂に詰め物が取れてしまった。

そのうち取れるだろうと考えていたので、インドネシアの歯科医はすでに検索済み。
当初はインドネシアの医療なんて不安だったけど、バリに評判の良い先生がいて、バリ在住の日本人もお世話になっているらしい。
日本に留学経験があり、日本語堪能なのだとか。


そんなわけで米国、豪州に続き、インドネシアの歯医者へ。
面倒なので予約なしで朝一で乗り込んだが、他に患者はおらず、すぐに診てもらえた。

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衛生面や技術面など全く問題ない事は分かっていたけれど、診察台にテレビがあったのには驚き。しかし治療中にテレビを見るだけの余裕はないし、全く必要ないが。
ここは外国人向けの歯医者ではないけど、ここへ来る現地人はある程度の所得がある富裕層なのだろうと思われる。


例の日本語堪能な先生は不在で、別の先生に診てもらったのだが、日本語は話せないけど、英語は話すので意思疎通は問題なし。
問題があるとしたら唾液を吸い取る機器がないので、口の中に唾がたまり、少し困ったくらい。

歯の詰め物だと診察、治療費合わせて30ドル少しなら安いと思う。


アジア縦断に向けての不安は解消された。
不安って程でもないけど、数日前よりイスラム教の断食月に入り、現在ラマダン中っていうのが少し厄介。

ヒンドゥ教徒が大部分を占め、世界的観光地であるバリ島では日中レストランが閉まるなんて事はもちろんなくて、今がラマダンである事を感じる事はないけど、これからジャワ島を歩いた時、昼食などどうしようかなと考え中。

Kuta 

初めて訪れる場所なので土地勘などあるはずもなくて、地図も持っておらず、唯一の手がかりは"POPPIES"という安宿が集まる通りの名前のみ。
何度も道を尋ねながらクタというエリア、そしてそこにある"POPPIES"を目指した。

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日没が迫った頃より歩き始め、クタの外れに足を踏み入れた時はもう真っ暗。
一口にバリといっても色々で、一般的に連想されるであろうビーチリゾートからのどかな田園風景まで様々。そしてまず目指したクタはビーチリゾートエリアだった。

バーやクラブが並び、華やかなネオンが光るリゾート地の夜をリヤカー引いて歩くなんてできれば避けたかったけど、リヤカー後部に取り付けたセーフティライトを点滅させながら、雰囲気ぶち壊し、場違いな姿で歩き抜き、"POPPIES"に到着した。


ここでの目的はビーチリゾートなどではなくビザの延長。
通常ビザの延長手続きには1週間が必要らしい。
自分の場合、金曜日の夜にバリ島到着、土日を挟むので順調にビザ延長の手続きが進み、パスポートを受け取るまでに要する日数は驚愕の11日。
11泊するからと宿代のディスカウント交渉をし、11泊分を支払った。

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一夜明け、クタを散策してみる。

観光地は大嫌いなはずだったけど、こういうリゾート地を訪れるのはかなり久々だからか意外と楽しかったりする。まあビーチはもちろん、バーやクラブにも縁はないんだけど。

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バリ島を歩き始めてすぐにティモール島と雰囲気が異なる事に気付いた。

インドネシアではイスラム教徒が9割近くを占めるが、バリ島では、人々のおよそ9割が、バリ・ヒンドゥーと呼ばれる信仰を奉じているのだとか。
ティモール島では教会を目にしたけど、ここでは全く異なるヒンドゥ寺院が主。
その数はティモールで目にした教会の比ではなく、とにかく多くの寺院が建ち並んでいる。

宗教が変わり、それに伴って人々の日常や文化、町並みも変化。
古くからの慣習も残っていて、寺院や店、家の前にはお供え物が置かれ、手を合わせ、祈りと共にお供え物を神に捧げる姿もよく目にする。
月並みな言い方だけど、宗教の持つ力、信仰の力を感じている。



変化といえば人も変わった。

見た目は変わらずも中身が。
世界的観光地なだけあって、多くの旅行者が集まり、そしてその旅行者相手に商売している人も少なくない。
いかにして旅行者から金をむしり取ろうかと考えているずる賢い人間が多いのは確か。

両替をする必要があって、レートの良い両替屋を探し歩いた。
好レートをボードに書いている両替屋もあるけど高率な手数料が必要だったりするし、あらかじめ手数料ゼロという事を確認していたにも関わらず最後の最後になって手数料がかかると言い始めたり、あえて小額紙幣を数十枚渡し、ごまかしたり、抜き取ったり、騙そうとしたり。

こういう連中は信用していないので、彼らから渡された紙幣を数え終わった後、再度彼らがその紙幣を手に取れば、紙幣が数十枚あろうとも絶対に数え直す。こいつは騙せないと悟った連中はなんだかんだ理由をつけて両替拒否をする。
10軒以上の両替屋を回ったのに本日は両替できず。
ルピアは得られず、代わりに疲労感を得たのみ。

全てがこういう人間ばかりだと思わないし、逞しい連中だなと笑える部分もあるが、純粋な西ティモールの人達が恋しく、早く観光地を離れたいなとも思う。

しかしクタでの日々はまだ始まったばかりなのである。

次の島へ 

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世界最多の1万8千以上の島々によって構成されるインドネシア。
いくつの島を目にしただろうか。
岩山の様な無人島だったり、緑豊かな山が見えたり、次から次へと新たな島が現れた。

自分の興味を惹くのはいつも人。
たまたま目にした名前さえ知らない島に集落が見えるなんて事もしばしば。
人の姿は見えないけれど、家の形、屋根の色、海辺のボートは確認できた。

目を凝らし、じっと見つめ、色々と想像してみる。
どんな人が住んでいて、どんな暮らしをしているのだろう。
あの海辺に見えるボートで漁に出て生計を立てているのだろうか。

彼らとの距離はわずか10キロ程しか離れていないのに、彼らの事を知る事も知り合う事もなく、また遠く離れていく。
自分の知らない所で自分の知らない人が暮らしている事を面白いなあと思う一方で、決して出会えないという事に対し、寂しさというか切なさみたいなものも感じた。

やはり自分にとって興味があるのは首都クラスの大都市でも観光都市でもなく、たまたま目にした、通りがかった名前すら知らない場所で暮らす人達である。

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今回の船旅で危惧していたのはいかにしてリヤカーを船内に積み込むかという事。
港で尋ねてみれば、そのまま持ち込めと言われた。
船内への入口は狭く、場所取りのため我先にと現地人で溢れ、とても入れる状況ではなかったけど、人が少なくなった頃を見計らい、一気にリヤカーごと船内へ。

考えていた以上に大きな船で階はいくつかあり、それぞれに数百人は収容できる船室もあったけど、荷物を持っての上り下りはしたくなく、入口のあったフロアの船室のみを確認したものの、残念ながら空きはなかったので、フロアにマットを敷いて3日間を過ごした。

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これが3等船室。
床、通路も人で溢れていた。

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これは船室ではなくてフロア。わがマット上からの景色。
クパン出発から2日目まで超過密状態。
船の収容人員を超えているのは明らか。
それでもまだフロアに居場所を見つけ、足を伸ばせるだけのスペースを確保できればまだ良い方だった。

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階段や狭い通路で眠る人達。

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船外で眠っている人も多数。



3等に自分以外の旅行者はおらず、インドネシアの庶民ばかり。

ゴミはその辺に捨てるので常にフロアは汚れていて、どこであろうとタバコに火をつけ、唾を吐く。
トイレに一応シャワーがあったけど、排水溝が詰まっていて水が溢れていた。
インドネシア人は普通にそこに小便をするし、乗船、下船時などは皆自分の事か考えてなく、我先にという感じで常に混雑、譲り合いなんて言葉は存在しない。
入口近くにマットを敷いていたため、乗船時、少しでも早く場所を確保したい彼らはぼくの荷物を踏みつけ、先へ進もうとしたり、中国人を思い出させる人達だった。

正面に陣取り眠っていたおっさんがピーナッツの殻をその辺に捨て、こちらにも飛んでくるので1ヶ所にまとめ、捨てるよう指導。

あとタバコ。
至る所から煙が上がり、言ってもキリがないんだけど、自分の真横で吸ってる人には「あっちで吸ってくれ」と何度か言った。

手で飯を食い、手で尻を拭くなんて事は抵抗なくできるけど、上述した事、さらにはこのクソ汚いトイレを裸足で歩くとか、その汚い足で自分のマットを踏まれるとかはもう無理。
これが彼らの日常で常識なのだろうけど、自分の考えるモラル、ルール、秩序なんてものはなくて、不快な事も少なからずあった。

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乗船前は潮風にあたりながらのんびり読書なんて目論んでいたけど、どこを探しても人で溢れていて、ゆっくり落ち着ける場所は見つけられなかった。

難民船、奴隷船を思わせる船で、狭いし、暑いし、汚いし、臭いし、自分がマットを敷いていた場所の壁は常にたくさんのゴキブリが這っているし、人間として最低レベルの船だと思うのだけど、嬉しい事になんと3食付。

食事時には庶民の長蛇の列ができ、船員よりパックに入った食事を与えられるのだが、

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現地人でさえ開けた瞬間苦笑いし、手をつける事なく放置するレベルの食事だった。
幸い少し金を出せばまともなものを食べる事ができたので、船内食に見切りをつけ、基本的にはチキンばかり食べていた。そういうインドネシア人も多かった。

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3日間の船旅。
いくつかの島を経てバリ島に到着した。

Kupang 

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ティモール島の歩行を終え、現在クパンにて船待ち中。

さすがに海上は歩けないし、泳げないので船を使う事になる。
いくかの船を乗り継ぐのであればもっと早く出れたけど、乗り継ぎなど面倒なので一気にバリ島を目指す。一気にといってもいくつかの港に寄港し、丸3日かかるんだけど。

もちろん飛行機を使えば最も早いし、当然のように皆が空路を勧めてきたけど、空路と海路、どちらを選ぶといえば迷う事なく海路を選ぶ。

飛行機は速いし、決して高い訳ではないし、荷物の超過料金の事で悩む以外は非常に優れた移動手段に違いないけど、普段から時速5キロで歩いている自分は例え動力を使うとしてもやはり遅い方を好む。

速い事が求められ、賞賛される現代だけど、あえてそれに逆らいたい。



船をじっと待つのも退屈なもので、歩く日々が恋しくもあり。
しかしバリに着いてもビザ延長の手続きやらで7月末まで歩けないのである。

食ってばかりです。

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毎朝これを食べている。

ナシクニン。
ナシ(米)とクニン(黄色)と今インドネシア人に教えてもらった。

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ナシとゴレン(炒める)でナシゴレン。
ナシイカンはナシとイカン(魚)。