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ALKINIST -あるきにすと- 2015年06月

Beaufort West 

12日連続歩行の9日目。

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道路の両脇に有刺鉄線の柵が設置され始めたのはジンバブエだった。
それ以来ボツワナ、南アフリカと、ほとんど途切れることなく数十キロ、数百キロ、延々と続く。よくこんなにも柵を張り巡らせたものだと感心。

ジンバブエ、ボツワナではたまに入口があれば勝手に侵入してテントを張っていたけれど、南アフリカでは入口があってもしっかりと鍵がかけられていて侵入不可能。
ここは治安の悪い南アフリカ。日没が近付き、忍び寄る闇に焦りが生じ、テント設営場所には連日頭を悩ませている。

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昨日久々に現れたケープタウンへの距離標識。
思っていた以上に近付いていてモチベーションが高まった。
現在いるビューフォートウェストからは460キロ。歩いて8日の距離。
さっさと終わらせたいという気持ちもあるけど、少し寄り道をしようと思う。

南アフリカ入り 

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アフリカ大陸縦断10カ国目、最後の国である南アフリカに入国。
現地人ですら「デンジャラス」と口を揃える国。「危ないのは都市だけで田舎は大丈夫なんでしょ?」と尋ねれば「どこも危ない」と彼らは言う。
国境の警官は「自転車でここを通過する旅行者もいるから大丈夫じゃない?」と気休めの言葉をかけてくれたけど、自転車と徒歩では1日に進める距離が3、4倍は違うのである。

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最初に現れたマフィケンという町では歩道にスーパーのショッピングカートが倒され、ストリートチルドレン風の少年達が腰かけていたり、ギラギラとした視線を浴びたり、町の雰囲気は良くないけれど、人のいる所を抜けてしまえば延々と何もない景色が続く。
たまに声をかけてくるドライバーに治安を尋ねれば「この辺りは安全だ」という言葉にほっとする。南アフリカに入って以来、挨拶を交わした後は治安状況を尋ねるのが常となった。

田舎であっても朝夕の暗い時間の歩行は避け、これまで60キロ超だった1日の歩行距離を50キロ程に下方修正。
テント設営も慎重に場所を選んでいる。というか道路の両脇には延々と柵が設けられておりブッシュへの侵入は難しく、テント設営場所には毎日苦労している。
この国では慎重になりすぎるくらいがちょうどいいです。油断と過信は禁物。

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ケープタウンも見えてきた。

Gaborone 

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アフリカ9カ国目のボツワナに入国。
これまでの8カ国に払ったビザ代は総額325ドルなのだが、9カ国目にして初めてビザ不要の国。ボツワナはできる子です。


相変わらず朝は日の出前の暗い時間から歩いている。
タンザニアやザンビアと違うのは歩行者の自分に配慮してハイビームを落としてくれるドライバーがいるという事。決して多いわけではないのだが、こんな配慮をできるアフリカ人がいる事に驚いた。タンザニア、ザンビアはゼロだったから。
ビクトリアフォールズで会ったカナダ人サイクリストの言う通り、のんびりと走る車も少なくない。

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路肩は広々として歩きやすいし、街灯の灯りが延々と続く首都近郊の風景は先進国そのもの。
首都の道路はここまでのアフリカでワーストと言っていいくらい歩きにくい道だったが。

ボツワナの首都はハボロネ。この国に来なかったら知る事のなかった名前。
ボツワナにいる今でもハボルネ、ハボロゲなど間違える事が度々ある。

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ボツワナに入ってからはやたらと車が止まり、声をかけられるようになった。

どこから来て、どこへ向かい、なぜ歩くのか……。

こんなにも多くの車が止まるのはカザフスタン、ウクライナ、カナダくらいがぱっと思いつくのだけど、ウクライナ、カナダは現地メディアで紹介されたというのが大きかったし、メディア露出抜きで声をかけられるのはボツワナが最も多いはずだ。国民性なのだろうか。

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先日声をかけてきた人の中に新聞社の記者がいて、紙面掲載されたけど、掲載日はハボロネに到着した今日だったので、新聞を読んだという人に声をかけられたのは1度だけ。


「冷たい飲み物でも飲みなさい」とお金を渡されること2度。3ドル少しとはいえ、アフリカ人から金を渡された事が意外だった。
エジプトを発ってから金を渡された事なんてあったっけとこれまでの旅路を振り返ってみる。

東方砂漠でジュースと水をくれた男、水をくれた警官、アスワン手前でジュースをくれた父子、スーダンの砂漠地帯ではスイカをもらい、水を与えられた。食事に招かれる事も度々あったし、イスラム圏でチャイをごちそうになる事は常だった。
エチオピアではインジェラを振る舞ってくれたおばあちゃんにコーヒーセレモニーをしてくれた家族、ケニアでは警察が食事をごちそうしてくれ、タンザニアではおじさんがビールを奢ってくれた。
ざっと振り返ってみてもこれだけの事があったし、テント設営場所の提供や飲料補給などお世話になった事数え切れず。


お金じゃなくて気持ち。
そんな気持ちをもらい続けた結果、無事ここまで辿り着いた事に改めて感謝。

南アフリカまであと2日、100キロ少し。