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ALKINIST -あるきにすと- 2016年09月
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Santa 

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国立公園を出た翌日、さらに山を下り、ユンガイへ。
ここからアンデスを歩き、北を目指す事もできるけど、一度沿海部へ戻る事にする。
しかしユンガイの向こうにそびえる山脈を見れば、「これを越えないといけないのか…」とやる気を失ってしまう。

とりあえず警察へ行き、情報収集。
地図を見ればルートは2つあり、ユンガイ近くからの道はこの山を越える必要があるとの事。
そしてもう一つのHuallancaを経て沿海部へ向かうルートに関しては、「Huallancaまではフラットな道が続く」と応対した警官。その後に関しては「知らない」と言った。

とりあえず山を下ってきたばかりであり、また新たに上る気にはなれなかったのでひとまずHuallancaルートを歩いてみる事に。

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さらに歩いてカラスまで行き、ここで1日半休養。
町からは白い山のてっぺんを見る事ができる。

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カラスを出てしばらくはずっとこんな道。

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トンネルも多く、大小合わせて50くらいはあったのではないか。
トンネル内にライトなし。車1台分の幅しかない。
ヘッドライトを手に持ち、車が来ればライトを点滅させてこちらの存在を伝える。

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台湾の太魯閣を思い出させる道だった。

その後到着したHuallancaでこの先の道について尋ねると、山はないとの事で一安心。海へ向かって下り続ける。

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カラスから3日目。
珍しく朝から曇っているなと思ったのだけど、沿海部を歩いていた時は昼前まで曇りだった事を思い出した。
高度は600メートルまで下り、もうアンデスを抜けたのだと気付く。

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連日のパンク。
現在エクアドル・キトへタイヤを送っているところなのだが、キトまでこのタイヤでいけるか非常に不安。

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パンアメリカン・ハイウェイまで30キロ。
夕方サンタに到着。明日からまた砂漠地帯を歩く。


Huascaran N.P Day7 



7日目。
チョピカルキを拝もうかとテントから顔を出すも、周囲は深い霧に包まれ何も見えず。

ここから400メートル上り、峠を越えた先に絶景が待っている。
ここを自分の足で歩くために海抜200メートルの海沿いから4200メートルの峠を越えてわざわざやって来たわけで、ワスカラン国立公園の歩行において最も重要な日。天候が唯一の懸念材料なのだが大丈夫なのだろうか。
視界が悪く、幅の狭い道を歩く事にも不安を覚えたけど、もともと交通量の少ない道だし、さらには早朝という事で峠を越えるまで1台の車もやって来なかった。

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たまに霧が晴れ、太陽が顔を出せば見事な景色を目にする事ができるが、すぐにまた霧に包まれるという事を何度か繰り返す。

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周囲の景色、状況がつかめないまま、黙々と歩き続ける事2時間。
気が付けば峠の頂上が目の前にあった。
峠は4750メートルくらいのはずだが、自分の腕時計の高度は4620メートルでしかなかったし、苦労を重ねた末に峠を越えた喜びよりも呆気ないなという気持ちが率直な感想。

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峠を越えた先に絶景が待ち受けているのだけど、やはり霧に包まれ視界不良。
天候が回復するまで1時間半待ち続ける。

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少しずつ天候は回復。

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そして現れたのがこの景色。

未舗装の悪路をひたすら黙々と歩き、4700メートルの峠を越えた先にこの絶景が現れれば感極まって泣いてしまったかもと思うが、残念ながら前回車で通過した場所であり、この景色の事は知っていた。号泣する事はなかったけど熱いものが込み上げてくる。
元々あまり感動する人間ではないのだが心が震えた。

ここまで歩く事6万キロ。地球の大きさからしてみたら6万キロの足跡なんてちっぽけなものだけど、そんな6万キロの中でのベストルートは間違いなくこのワスカラン国立公園。
ここを歩きたいと思い、4200メートルの峠を越えてアンデスへ戻ってきたのだ。
集大成の五大陸目である南米。最後の最後に素晴らしいルートと巡り合えたなと思う。

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はるか下まで続く九十九折の道は圧巻の一言。

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これは以前トレッキングをした際、正面のピスコから撮った九十九折の写真。

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絶景を楽しみながらゆっくりと下る。

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どこまでも続く下り坂。

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ここでカーブを曲がれば正面にはワスカランとチョピカルキが見え、

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次のカーブを曲がった先にはピスコなどを見る事ができる。どちらも素晴らしい景色。

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600メートルも下れば、ついさっきまで同じくらいの高さにあった山々を見上げる事になる。

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見下ろしていた湖ももう近い。

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あの峠を越えてきたのか、あそこから下りてきたのかと何度も後ろを振り返った。
我ながらよく歩いてきたものだなと思う。
念願のワスカラン横断を果たし、ペルーでの歩行に思い残す事はもうない。

歩行距離35キロ。

Huascaran N.P Day6 



6日目。
ひたすら上り。

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約3時間歩いてバケリア着。
サンタクルストレッキングの起点となる場所で、前回のトレッキングの時もここを訪れていた。
ここから先はバスで移動した際に景色を見ており、今回歩いて訪れようと思ったのもこの絶景の中を歩いてみたいと思ったから。
海抜200メートルの沿海部から4200メートルの峠を越えてアンデスに戻るという衝動に駆らせた景色がこの先に待ち受ける。

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どこから国立公園になるのか分からないけど、再び国立公園へ。
サイクリストと遭遇する。
「この先はものすごくビューティフルよ」と興奮気味に話す女性に対し、「前に見たから知ってます」とは言えず、「そうなんですか、すごく楽しみです」と返しておく。

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また山が見えてきた。

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13時過ぎではあったけど歩行終了。
国立公園内は景色とキャンプを楽しむ事が目的なので。
絶景は明日ゆっくりでいい。

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テントからの眺め。

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後で地図を見て知ったんですが、3日目の朝にテントから眺め続けたチョピカルキだった。

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景色を楽しみながらラーメンを食べ、コーヒーを飲んでと考えていたけど、先ほどまでの青空はどこへやら。次第に雲行きが怪しくなっていく。

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パラパラと雨が降り、雪へと変わり、そしてやや強めのみぞれが降り始める。
吹き付ける風は冷たいし、一気に寒さが増した。やる事もないし、19時に眠る。

歩行距離25キロ。4300メートル。

Huascaran N.P Day4 & Day5 

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4日目。
前日に続き下り。
この先また4700メートルの峠を越えないといけないので、下る事なく高度を維持してほしい……。下ったら下った分、また上らないといけないので。
徒歩か自転車で旅する人にしか理解できない事かもしれない。

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これまではアスファルトだったけど、この先は未舗装路を歩き、4700メートルの峠を越える事になる。
本当に歩き抜けるのだろうか。南米縦断ルートを外れ、わざわざアンデスへ戻ってきたけど、その決断は間違っていたのではないかと弱気になる。

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10時、サンルイスに到着。
休養、買い物、充電をする必要があったので歩行終了。

歩行距離21キロ。3100メートル。


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5日目。
6時に出発したのだが、アンデスの人達の朝は早い。
食堂が開いていたので朝食。看板にあるカルド・デ・なんちゃらというのを食べてみたけど、ホルモンスープでした。もう2度と食べないと思う。


ここから先は未舗装路。
車が通る度に土煙を上げていく。
そしてまた1台来たなと思ったのだけど、いつも横を通り過ぎていく車とは違った。

明らかに旅行者のものと思われるステッカーがベタベタと貼られたオフロードカー。
南米ではキャンピングカーやオフロードカーを何度か目にしたけど、最も多いのがスイス。
サンルイス滞在中もスイスナンバーを見たし、次いでドイツあたりか。

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で、この車のナンバーはというとロシアだった。
ロシアナンバーの車を見るのはロシアを歩いていた時以来だし、ロシア人旅行者なんて1度くらいしか会った事がなく極めて稀。
「止まってくれないかな」と思うのだけど、無情にも素通り。
しかしこの先に交通規制されている橋があり、ロシア車はそこで停車していた。
ちょうど動き始めようとしていた時だったが、走って彼らの元へ。これがスイスナンバーだったら絶対にここまでしていなかったけどロシアナンバーだったので。

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何とか追いつき、運転席に手を振れば、ウィンドウが下げられ、優しい顔をした男性が現れた。

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奥さんのニーナと旅をしているウラジミール。
「プーチンと同じ名前ですね」とどうでもいい事を言い、会話が始まった。

日本から近いウラジオストクに住んでいて、車も日本車。車庫証明のステッカーも張られていて徳島県だった。
アルゼンチン・ウシュアイアからアメリカへ向かっている。
コーヒーをごちそうになり、しばし談笑。英語とスペイン語、ロシア語の単語が混ざり合う奇妙な会話だった。


最近、某新聞社の記者とメールのやり取りをした際、偶然とも必然とも言えない出会いの面白さについて話し合った。
ウラジミールとの出会いも同じで、日本人とロシア人がペルー・アンデスの山奥、普通の旅行者が訪れないような場所で出会う。しかも自分が走って追いかけたからこそ出会えたわけで、あそこで走らなければ我々の人生が交わる事はなかった。
改めて出会いというのは面白いものだなと思う。

それと同時に思い出したのはロシアを歩いていた時の日々。
日本との間に領土問題を抱え、世界的にも色々言われてる国だけど、出会った人一人一人、あるいは彼らとのエピソードを思い返せばとても温かな国だったなと。
この時のユーラシア大陸横断という挑戦は冒険的であり、非常に刺激的であったと思う。
知識も経験もない中歩き抜けるかどうか分からなかったし、実際苦労やトラブルも多かった。
それに比べたら6万キロという経験を積んだ今、南米大陸を歩くなんて難しい事でないのかなと思う。

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そうは言っても未舗装路を歩いて4700メートルの峠を越えるというのは簡単な事ではないのである。
「下るな下るな」と念じてるのに、結局2500メートルまで降下。ここから4700メートルまで本当にいけるんか?
未舗装路といってもきれいに整地されてるのならまだしも、デコボコガタガタの悪路。
車輪が大きな石に何度も引っかかり、時には深い砂の中にタイヤが沈み、ストレスを感じる。

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この日の目的地ヤナマに夕方到着。
町の背後には山々がそびえていた。
食料を購入し、町の先でキャンプ。

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歩行距離47キロ。3400メートル。

Huascaran N.P Day3 

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3日目。
テントから顔を出せばワスカラン(左)とチョピカルキがきれいに見えた。
もう少しワスカランがよく見える位置に移動しようと考えていたが、強風で、テントから離れればテントごと吹き飛ばされそうだったのでおとなしくテント内で寝袋に入ったまま山を眺める。

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1時間程じーっと山を眺めておりました。

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山とテント。
4700メートルの朝は寒く、フライシートには霜が張り付いていた。

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3日目のスタート。

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徒歩旅行者が最も恐れるものの一つ、トンネルが現れた。
トンネル内にライトなどなく真っ暗。
幅の狭い歩道はあったが、リヤカーを引いての歩行は無理なので車道を歩くしかない。
ヘッドライトに加え、後部にもライトを装着。アフリカでは日の出前から歩く事が多々あったのでライトを使ったけど、南米では初めてだなと思う。

そして全長約1.4キロのトンネルへ突入。
海外のトンネルは台湾以来かなと思ったけど、トンネル内で南アフリカだと思い出す。
前後から計4台の車がやって来たけど何とか無事通過。

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トンネルや峠を越えた先の景色って楽しみなものなのだけど、トンネルを抜けた先には新たな絶景が待ち構えていた。

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うおーっとアホみたいな声が出る。

写真を撮っていた時、あるものがない事に気付いた。
トンネルに入る前に使っていたので、そこからここまでのわずかな間に落とすか置き忘れるかしたらしい。
片道1.5キロかけて取りに戻るだけでも面倒なのに、このトンネルを往復しないといけないというのが本当に嫌だ。しかしないと困るものでもあるので、渋々トンネルへと向かう。

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あった。置き忘れていた。
よくモノを落としたり、失くしたりするんですが何とかならないものか。

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わざわざトンネルを戻った唯一の収穫は先程まで逆光だった山を撮れた事くらい。

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そしてまたトンネル通過。
幸いにもこの往復の際、1台の車も通らなかった。

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ここからはひたすら下り。

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新たな氷河が現れるのだけど、正直飽きてきた。

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なんて思っていたら山の神の逆鱗に触れたのか、次第に天候が崩れ、雪が降り始めた。

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その後も下り、歩き続け、とりあえず目標としていたChacasに到着。

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なかなか雰囲気のよい小さな町だったのだけど、町を抜けた先の採砂場でテント。

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バッグの中に缶ビールが入っていることに気付く。
こんなものを持っているから上りに苦労するんだな。

歩行距離32キロ。3300メートル。

Huascaran N.P Day2 



2日目。
懸念していた足の痛みはわずかに残っている程度で歩行に支障はなさそう。

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前回のトレッキングで牛に裂かれたフライシートはこんな感じに補修されている。
噛み破られたテントの底も補修済み。

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いつものようにがっつり歩く事はせず、45キロ前後の国立公園をゆっくり2日で歩くと想定。
ワスカラン国立公園は有料なので1日券を2枚購入。

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早速歩行開始。快晴です。

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しばらく歩くと前方に氷河を抱いた山(Contrahierbas)が見えた。

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その手前には九十九折の道。
視覚的にきつそうで、これまでの自分なら現実逃避したくなる大嫌いな上り坂。
しかしペルーで4000メートル超の峠をいくつも越えた事で心身ともに鍛えられたようで、目の前の九十九折を見て楽しみだなと思う。

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正面だけじゃなく、横を見ても山。

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どんどんと上っていく。

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さらに上っていく。
ふと下に目をやれば九十九折。

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次第に大きくなっていくContrahierbas。

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何度もカーブを曲がる。

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最後の方は疲れてしまって、もうテントを張ってしまおうと思ったのだけど、携帯している水はわずか。水場もなかったので歩かざるを得ない状況。

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最後の200メートルはきつかったけど、何とか4700メートルの峠に達する。

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この峠にはトンネルがあるのだけど、そのすぐ近くにテント。
氷河から流れてくる水場もあるし、Contrahierbasも間近。絶好のロケーション。

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しかしあえてテントの入り口はこちら向き。
明朝、天気が良かったら朝日を浴びて赤く染まるワスカランが見えるかなと思って。

歩行距離21キロ。4700メートル。

Huascaran N.P Day1 

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ワラスを出てしばらく歩くとペルー最高峰ワスカランが見えた。

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約30キロ歩いてカルウアス到着。高度は2750メートル。
ここから上りが始まる。

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少しずつ大きくなっていくワスカラン。

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放牧帰りの現地人とワスカラン。

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徒歩旅行者とワスカラン。

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暗くなってから国立公園事務所に到着。
ここにテントを張らせていただく。
途中通過した村で急勾配の上りを歩いた際、普段使わない筋肉を使ったからか、両ももに痛み。翌日以降に痛みが残らないか不安。

歩行距離57キロ。3700メートル。