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ALKINIST -あるきにすと- 2017年03月

ポパヤンへ 

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200メートル下った後は延々と上りが続き、800メートル高度を上げて1860メートル。

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峠を越えたと思いきや、300メートル下った後、500メートル上って正面に見える山を越えるらしい。
~メートル上って、下ってと書き記す日々。
楽ではないけど、ようやく上りに慣れてきたのでものすごくきついというわけでもない。

山を越えた後、雨に見舞われ、無人の屋根下で雨宿り。
道路から丸見えだけど、屋根はあるし、ここでテントを張ってもいいんじゃないかと考えた。
農作業帰りのおじさんがいたので安全か否かを尋ねれば、「安全ではない」という返答。
頬を指でなぞる仕草を見せた。

前に知らず知らずにのうちにパストのスラムを歩いていたら警察に声をかけられ「ここは危ないぞ」と一言。そして同じような仕草を見せたのだけど、日本のヤクザを示す動作と同じだと思った。

現地人が「安全ではない」というのだからそれに従うほかなく、もう少し歩く。
食堂で声をかけてくれた人が「家にテントを張ってもいい」と言ってくれたのだが、苦労して上ってきた坂を下る必要があったのでその申し出を断り、別の民家にテントを張らせていただく。

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今の時期のアンデスは雨期なのか、雨が多いので屋根下にテントを張りたい。
ポパヤンへは20キロのところ。

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翌朝、朝食をごちそうしてくれた人達。

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坂を上っていたら「何か飲め」と2ミル渡してくれたサイクリスト。

多くの人に助けられながら目指していたポパヤンに到着。

ハキリアリ 

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テント周りをライトで慎重に照らし、サソリがいないかを確認してテントを片付け、出発。

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この日はやたらとハキリアリが目につき、足を止めて観察。
フンコロガシとかカメレオンとかアフリカでもそうだったように見慣れない生物というのは本当に興味深い。

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障害を乗り越えるハキリアリ。

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El Bordoでは「冷たいものでも飲みなさい」とおじさんから2ミル(約80円)をいただき、

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お兄さんから冷たい水の差し入れ。
2人ともグラシアス。

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夕方、あと30分くらい歩くか迷っていたところ、「そこにテントを張ればいいよ」とおじさんに声をかけられる。
歩行距離55キロと連日の55キロ超えは嬉しい。

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最近は酒を控えているのだけど、暑いし、隣に商店はあるし、久々にビールを飲む。

真夜中の訪問者 

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歩行再開以来、曇りの日が多かったけれど、久々に朝焼け空を見た。

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日中も良い天気で、とても暑く、水分摂取量が増える。
700メートルを切るところまで下り、その後は緩やかにアップダウンを繰り返す。
先日まで3000メートルを超えていたので尚更暑さを感じる。

前日の山道は意外にも商店や食堂が点在していたのでこの先のルートも大丈夫だろうと思っていたら、延々と何もない。
どんどんと減っていく水ボトルに不安を覚える。

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最後に見かけた商店から20キロ歩きようやく集落が現れた。
自転車なら1時間少しの距離だけど、歩けば4時間。とても長かったし、救われた気分。
二口分の飲料しか残っていなかった。
道脇の小さな店でコーラを買う、小さいながらも冷蔵庫があり、冷えたコーラを飲めるのは嬉しい。

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その後も黙々と歩き、牧草地の小屋にテントを張る。
緩やかなアップダウンが続いただけなので距離を稼げ、歩行距離は56キロ。
歩行再開以来50キロを超えるのは初めてなので嬉しい。
この程度のアップダウンなら60キロは歩ける状態に戻っている。


夜、ふとライトを外に向けた時、がさがさと動くものに気付いた。
これを見た時、目を疑ったし、なんでこんな緑溢れる牧草地にいるんだろうと思った。
ここは砂漠でなく牧場、牛はいるけどラクダはいない。本当に意味不明。

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3匹のサソリを発見。1匹は靴の下に隠れていた。
このサソリが手にしているのはバッタ。
小屋の壁の上にいるのは無視して、テント周りを這い回る2匹は安全のために殺す。

絶景ルート 

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前日感じた膝の痛みは消え、足取りも軽い。

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しばらく歩いたところから切り立った崖の上の道となり、景色も良くなる。
この先のコロンビアでのルートでここを超える景色とは出会えないんじゃないかと思う。

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土砂や岩が崩れた場所が多く、山側ではなく谷側を歩いていたが、50メートル前方で突然土砂と木が落ちてきた。
もう少し早くここを通過していたらとか、これがもし大きな岩だったらとか、仮定の想像をあれこれ巡らす。ここで生きるか死ぬかって運であり、運命だと思うのです。

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10分後、トラックなどが列を作っていたので何かあったのだろうかと思っていたら事故だった。事故に巻き込まれるか否かっていうのも運命。

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自分のように路上で1日の大半を過ごす人間が無事故で生き延びる一方で、世界中には不幸な交通事故が頻発しているわけで。
事故を未然に防ぐ準備はするけど、その事故に遭遇するかっていうのは本当に運であり、運命じゃなかろうか。

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歩行開始以来ずっと下り続けているが、そろそろ下りも終わりか。
谷の向こう側に道が見えた。
上りというのはうんざりさせられるものだけど、ここの下りの勾配は緩やかだったので上りに対する不安はそれ程ない。景色も良くて楽しみながら歩けているし。

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谷底に架かる橋が見えた。ここまで下ること1000メートル。

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そして逆側へ。上りが始まるが、思った通りきつい上りではない。
歩行再開後のエクアドルの上りや先日のパストへの上りではものすごく苦しめられたのだけど、ようやく慣れてきたという事なのか、あるいはやはりあの勾配はきつ過ぎたのか、どっちなのだろう。

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こういう現場が本当に多い。

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ここのルート上には200メートルのトンネルが2つあった。
いずれも歩行可能だが、駆け抜ける。

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さらに上ってトンネルを見下ろす。

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本当にすごい道だ。

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650メートル上った後、再び下りになり、絶景ルートは終了。
このルートを歩けただけでも歩行再開した価値はあると思うし、こんなにも景色を楽しめるのは人力旅の特権でなかろうか。

Chachagui 

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少しずつではあるがポパヤンに近付いている。

2キロ歩いたところで昨日のトンネルからの道と合流。
迂回路を歩けば30キロと警備員は言ったが実際は15キロだった。

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さーっと行ってしまいたいところだけど膝に痛みを感じた11時、ホテルが現れたので、早々に歩行を切り上げる。
翌日以降険しい山道が続くのでそれに備えての休養。

Pasto 

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朝、お礼を伝えて出発しようとDavidに声をかけると「朝ご飯食べていきなよ」と彼。
お言葉に甘えさせていただく。何から何までありがとう。

昨日の続きの上りから始まる。
一晩足を休めたものの、疲労が残っておりやや足が重い。
3200メートルまで上り、前々日から1400メートル続いた上りは終了。
ここからしばらく下り。

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パストへの道とパストを避けてポパヤンへ至る道とがあり、街を抜けるのは面倒なので後者を選択。

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遠くからパストを見下ろす。なかなか大きな街だ。

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緩やかなアップダウンを繰り返しているうちに徐々に天候が崩れ始め雨。バス停に避難。

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隣に食堂があったので昼食をとっておく。

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その後雨が強くなったので雨具を着用し、歩き続けていたら目の前にトンネルが立ちはだかった。手前の電光掲示板には「徒歩・自転車は通行不可」という表示が出ている。
何とかなるだろうと前へ進んだところ、トンネル入り口に常駐している警備員がこちらへやって来て「トンネルを歩く事はできない」と言われた。

「ああそうですか」と引き下がるわけにはいかず、「アルゼンチンからずっと歩いているんですよ。なんとかなりませんか」と説明し懇願。警備員はどこかへ電話をかけはじめる。

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しばらくして現れたのがこの車。
トンネルの逆側の入り口からやって来た。
荷台にリヤカーを載せてトンネルを通過してくれるらしい。
「リヤカーなしなら歩いても大丈夫?」と期待を込めて尋ねたが、彼らの答えは「NO」。

ルールだから仕方ないのだけど。自分にはどうする事もできないし、車に乗ってしまえばいいんじゃないかという気持ちも芽生えたのだが、結局トンネルを迂回する道を歩く事に決めた。
パストの街まで下り、山を上ってぐるっと回ったところで、このトンネルからの道と合流するらしい。あまりに面倒で考えただけでやる気を喪失してしまう。しかも雨だし。

「トンネルなら1.7キロ。迂回路なら30キロ」と警備員は紙に書いて説明し、「車に乗って行こうぜ」と言った。
迂回路を選ぶことがどれだけ馬鹿らしいかは分かっているけど、やはり歩ける道が存在するなら動力に頼る事なくそちらを歩きたかった。

トンネルに背を向け、パストへ向かう。
本当に馬鹿馬鹿しいけど、清々しくもあった。
改めて自分の歩くのだという強い気持ちを再確認できたのは良かったなと思う。

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警察が「危険だ」と教えてくれたスラムを足早に抜け、パスト中心部を素通り。
そして迂回路の山を上る。

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峠を越えたところでまた雨が降り始めたので民家にお願いして屋根下にテントを張らせてもらう。

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温かいスープと紅茶を持ってきてくれた。
コロンビア人のやさしさを感じる毎日。

上りと雨 

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歩行距離を稼ぐためにも早朝出発したいのだが、朝から雨。
出鼻をくじかれた感じで、二度寝。これなら1日中雨が降り続いて今日が休みになればいいのにと思ったが、雨が止めば歩かないわけにはいかず9時過ぎより歩行開始。
2キロも上り続ければ、眼下には昨日テントを張った小屋がある集落が見えた。

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山間の村。
最初の9キロで500メートル高度を上げたが、ここから足を止め、座り込む回数が増える。
座ってから100メートルも歩かないうちに地面に腰を下ろしてしまう。何度も足を止め、また歩くを繰り返した。

追い打ちをかけるように雨が降り始め、上りと雨という最悪な組み合わせ。
振りが強くなったところで民家の屋根下に逃げ込み、30分雨宿り。
そしてまたしばらく歩いたところで雨。民家の屋根下に逃げ込む。
この日はひたすら上りが続き、高度を1000メートル上げたが、3000メートルの雨は冷たく寒い。

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十分なスペースがあるとは言えない屋根下で寒さに震えながら雨が止むのを待っていたら「こっちはもっと広いからおいでよ」とこの家の子供David。

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もう16時だし、雨は依然降ってるし、上りに疲れていたので、もう歩きたくないと思い、テントを張らせてもらえないかお願いしたところ快諾してくれた。19キロしか歩けず…。

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テントにいるとDavidが熱い紅茶を持ってきてくれた。冷えた体を温めてくれる。

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さらにはご飯まで。
テントを張る際は地面を掃いてくれ、イスが少し濡れていたらそれを拭いたり、12歳とは思えないすごく気配りの出来る子供だった。

夕食を作る必要がなくなり、寒いし、疲れてるし、やる事もないので18時に就寝。