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ALKINIST -あるきにすと- 冬と山と犬

冬と山と犬 

欧州マップを広げてみると、当初予定していたルート、
モルドバとハンガリーとの間に位置する国、ルーマニア部分が茶色い事に気付く。

そう、山地。

ルーマニアで予定している歩行距離は約700キロ。
ハンガリーへと至る道、そのほぼ全てが山地であるらしい。

早速調べてみると、ルート上に位置するのが、トランシルヴァニアアルプス山脈
2000メートル級の山々が連なっているのだとか。

ぬるいだとか、つまらないだとか、最近の歩行環境についてぼやいていたので、これはきっと神の計らいに違いない。
願ってもない環境ではないか。

そんな事を一瞬考えるも、

秋ならまだしも、これから冬が始まるわけで、氷点下10度~20度の環境下、700キロにも渡り、山地を歩き続けないといけない。テントを張り続けないといけない。

さらには非常に短い日照時間。
日没は16時頃。
夏季は1日50キロくらいは歩けていたものの、現在は40数キロが限界。
夜が長く、やる事もないので、ウクライナでの歩行中は19~20時に眠る日々。
小学生どころか、タラちゃん・イクラちゃんくらいの子より早く寝ているはず。

氷点下10度~20度、雪、2000メートル級の山々、長い夜・・・

そんな事を考えていると、なんだか憂鬱な気分になってきた。



さらにルーマニアの項を読み進めてみると、


「現在ルーマニアは深刻な野犬の問題に直面している。全国で推定200万匹が野放しになっている。2005年において同国内で2万人以上が犬に襲われる被害を受けている。当局は駆除に乗り出そうとしているが、動物保護団体の激しい反対に合い対策は進んでいない。」


遂に来たか、野犬。
出発前に取材していただいた際、こちらにもある通り、「不安は野犬」と答えている。
実際ここまでも、就寝中、リヤカーに積んだままのスイカなど、野犬に食われているし、
ここオデッサでも先日、ワンワンと野良犬に吠えられた。
しかし、200万匹って、えらい多いなあ。


「2006年1月7日、動物愛護活動家でもあるフランスの女優ブリジット・バルドーは声明を出して駆除計画に抗議、ルーマニア当局を非難した。同年1月29日、日本人男性がブカレストで野犬に噛まれ、失血死する事件が起きた。」


ちょっとこれはシャレにならないでしょう。
狂犬病の注射も打ってないし、失血死なんて狂犬病どころじゃないし。
何かあったらブリジット・バルドーに抗議文でも送りつけてやろう。

そんな事を思いつつ、ルーマニアに関する情報収集を終えた。


冬と山と犬。

氷点下10度~20度、2000メートル級の山地、200万匹の野犬。

このルートを歩けば、何か起こる事は必至。
ここまで書いておいてあれなのだけど、とりあえず現在は、ルート再考も含め、検討中。
地図を見ると、ブカレスト方面は平地を表す緑、黒海沿いも見事なまでの緑がイスタンブールまで続いている。

まるでこっちを歩けよと言わんばかりに。



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ロシア歩行中についてきた犬。
半日、25キロを一緒に歩いた。