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ALKINIST -あるきにすと- トルコを食す

トルコを食す 

先日取材を受けた際、いくつかの質問を受け、その中に食に関する事があった。
基本的にガソリンストーブを使い、調理している事など説明した後、

「ロシアで何を食べてた?」

なぜかロシアを指定しての質問に返した答えは、

「缶詰とラーメン」


「他には?」と尋ねられても、「缶詰とラーメン」としか答えようがない。
食堂で食べたのはロシア人におごってもらった1度だけ。カルミキア人、車輪探しの際に世話になったロシア人宅でごちそうになり、あとはたまにロシア人からピロシキや魚などを差し入れられたくらいで、それ以外は昼に缶詰、夜はラーメンという食生活だった。

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アストラハン近郊で買い込んだ食料。缶詰15缶。


「オンリー?」「エブリデー?」

オンリーでエブリデーなのだ。
理由を尋ねられても、説明するのが難しいので「安いから」と答えたものの、食に対するこだわりがないというのが最大の理由かと。
けっこうなボリュームのある牛の缶詰が1ドルもせず、腹も満たされるし、調理の必要もないし、歩行の合間に食べるものとして非常に優れていた。ラーメンは簡単に作れるという事に尽きる。わざわざ歩行終了後に手の込んだものを作ろうなどと思わないのだ。

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<写真>
テントを張っていたら「寒いでしょ」と温かいスープなどを持って来てくれたロシア人一家。
ほんと泣きたくなりますね。スパシーバ。


もちろんたまに招かれた食事がこれらと比べられないくらい美味しかったというのは言うまでもない。何より久々に感じる家庭の温もりが心にしみた。
でも缶詰とラーメンに飽きるという事はなく、逆にウクライナで安い缶詰を見つける事ができずに嘆いた。ちなみにウクライナでは毎日サンドウィッチを作っていた。夕食はラーメン。


そんなグルメなわたくしはここトルコではドネルケバブを主食としている。

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凍傷を負った指は満足に動かせず、何か作ろうという気にならず、歩行中は昼も夜もドネルケバブを食べ続けた。


幸か不幸か、現在滞在している宿はキッチンが使用できない。
何が不幸って、毎日ラーメンなら安く済むものが、自炊をできないがために出費がかさむ事。ラーメン生活から解放され、まともなものを毎日食せる事はメリットに違いないのだけど。

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不幸にもこのドネルを食事中に目の前で思い切りゲロを吐かれるという災難に見舞われ、時折思い出したりもするのだが、相変わらずドネルケバブを主食としている。
缶詰にしてもラーメンにしても、このドネルにしても、同じものを毎日食べ続けても飽きないというのは、一種の特技ではなかろうかと最近は思う。


イスタンブールは海に面した街なだけあって魚介類は豊富。
到着翌日、真っ先に向かったのがここ。

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船上で焼かれるサバ、そしてそれをパンに挟んだサバサンド。
日本を思い出す懐かしいサバの風味、食感。7年前と変わらぬ味です。

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サバを焼く煙、そこから発せられる匂いに食欲は刺激され、サッカー観戦帰りはガラタ橋周辺で営業するサバサンド屋で食べる事が習慣となっている。


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トルコの庶民的な食堂はロカンタ。
トルコ語で書かれたメニューを渡される事はなく、パレットに入れられ、並べられた料理を指差し注文する。
ロカンタへはイスタンブールで2回、トルコ入国後計4回入ったのみ。
トルコ料理は世界三大料理の一つと言われるらしいのだけど、残念ながらそれを語れる程、トルコ料理を食べているわけではない。


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お気に入りの食堂も見つける事ができ、

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適当に何かつまみながら歩くという日々を過ごしている。


そうそう、先日は日本食を食べに出かけた。
日本出発以来、一度も口にする事のなかった日本食。
15ヶ月振りの日本食。

なんとか指は箸を持てるまでに回復するも、以前の様に器用に扱う事はできず、やや違和感がある。うどんの麺が箸の間からするりと落ち、ご飯はボロボロとこぼれ、トルコ人従業員に「フォークプリーズ」と声を掛けようかと一瞬考えたものの、大和魂で頑張りました。

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毎日缶詰やラーメンを食べ続け、決して味にうるさいわけでなく、たいていのものをうまいうまいと喜んで食べる人間なのだが、さらに15ヶ月振りの日本食、日本食に飢えていたにも関わらず、食後に残ったもやもや感。これは一体何なのか。

日本茶とうどんのだしは合格でした。