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ALKINIST -あるきにすと- リタイヤ

リタイヤ 

ジェノバへの山を越え、海へ出た辺りからか、ものすごくつまらなくなって、モチベーションもどんどんと低下して、こんな精神状態の中歩き続ける事に意味はあるのかと何度も思って、それでも歩き続けてきました。

イタリア人もフランス人もとても親切で、カプチーノもクロワッサンも美味しくて、それなりに安全なのだけど、そんな環境が物足りず、満足できず。
住宅地の教会横の空き地など、堂々と目立つ所にテントを張る事もあったけど、今となっては襲われる心配をするより、不審者として通報される事が心配です。

時折現れる小さな町や村。
日本とは違った町並みは美しいけど、それだけです。
何度もそんな町や村を歩き抜けているうちに何も感じなくなる。

そんなものより、ウイグルやカザフスタンの無人の荒野の中、突如現れたボロイ一軒の家、
水を求め、食料を求め、そんな辺鄙な所で暮らす人の出会い、
「救われた」と何度も思い、人のやさしさを感じ、得るものはとても大きかった。

人のやさしさに大きいも小さいもないけど、あの過酷な環境下で感じる人のやさしさっていうのは本当に心にしみる、胸を打つものでした。


そんな風にモヤモヤとしながら、ヴェネチアから21日連続歩行、歩行距離も1100キロ超に達するまで歩き続けました。
こんなハイペースで歩き続けたのはさっさとヨーロッパを終わらせたいという一心だけ。

ピレネー越えもサンチアゴ巡礼もしないつもりでいました。
最後の最後、わざわざきつい山を越える必要などないではないか、そう考え、フランス西端から平地を歩き、スペイン入りするつもりでいました。

結局、悩んだ末にピレネーを越えたけど、それはいつかこの旅を振り返った時、最後ピレネーから逃げた事、きつい事から逃げた事を悔やむのではないかと、後で後悔するより、今ピレネーを越え、ヒーヒー言いながらその選択を悔やもうと、それだけの事です。
実際のところ、それ程たいした事はなかったので、越えておいて良かったけど。

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で、サンチアゴ巡礼。
ピレネー越えと違い、これはやらなくても後悔しないだろうと考えてました。
別にやらなくてもいいやと。

でも巡礼者と出会ったりしているうちに、いつしか気が変わり、やってやろうと思い始めました。

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しかし、しかし、しかし・・・

ボコボコ、ガタガタ、リヤカーで渡る事のできない橋に階段、
無理ですってこの巡礼路。
リヤカーを引いて歩くにはかなり厳しい。
車輪などのトラブルに見舞われる可能性大。

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古くから多くの人々が歩いてきた巡礼路でなく、現代人が作り上げた巡礼路に沿った舗装路をモヤモヤとしながら歩き続け、ブルゴスに着いたのは昨日の事。

サンチアゴを目指すサイクリストも多く、巡礼路を時には自転車を押しながら進む人もいれば、舗装路を進む人もいます。
巡礼路にこだわるか、舗装路でもいいからサンチアゴを目指すか、人それぞれ、捉え方は様々ですが、ぼくの場合、どうしても納得する事ができず、もう巡礼路に沿った道を歩くのはやめ、サンチアゴを目指すのをやめ、さっさとポルトガルを目指す事にしました。

時には舗装路横に土道の巡礼路があったりするんですが、この巡礼路を横目に見ながらアスファルト上を歩くのって本当に悔しいものです。


今日はヴェネチア出発以来2度目、2週間振りの休足日。
もう1週間程でポルトガル、順調なら2週間でユーラシア横断は終わりです。

さっさと終わらせちゃいます。



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<写真>
スペインの田舎、大半は何もない。

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<写真>
スペイン入国後、暑さに悩まされ、歩行ペースは落ちている。
昨夏、カザフスタンで50度を経験しているとは言え、40度超はきつく、日中は木陰で休む事も多い。
イタリア、フランスと違い、冷えた飲料を入手しやすいのが救い。
久々に飲むアクエリアス。

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<写真>
巡礼路に沿った町には安く泊まれる巡礼宿がある。
何度かお世話になった。