ブックマーク
ALKINIST -あるきにすと- Lisboa

Lisboa 

「ロカ岬」

580日間、目指し続けてきた岬の名前を、このブログ上で何度か書いているものの、実をいうと、歩行中に出会った現地人や旅行者の前で「ロカ岬」と口にした事はほとんどなく、唯一出会ったポルトガル人に「カボダロカを目指している」と話したくらいだったりする。


「どこへ向かっているんだ?」


これまで何度も、数え切れないくらいに尋ねられたその問いに、いつもこう答えていました。


「ポルトガル、ポルトガルの首都・リスボンを目指している」と。


理由は単純で、世界地図にも欧州地図にも載っていないこのユーラシア大陸最西端に位置する岬の事を彼らが知っているとは思えなかったし、それを英語や現地語、ジェスチャーを織り交ぜながら説明するのが面倒だったから。
あと岬っていう英単語を知りませんでした。岬はCapeです。

ポルトガルに入り、いつもの様に「どこへ向かっているんだ?」と尋ねられ、「カボダロカ」と答えてみれば、「おお、カボダロカか」と皆が理解してくれて、改めてポルトガルまで来たんだなと、少し嬉しく思えたものです。


「どこへ向かっているんだ?」 と、そんな質問を投げ掛けられ、「リスボン、リスボン」と毎日の様に答えていくうちに、いつしかその存在は自分の中で大きくなり、ユーラシア大陸横断はロカ岬で終わりだけど、ユーラシアの旅はリスボンで終わろうと、そう考えるようになりました。ロカ岬経由でリスボンを目指したのもそういう理由から。

IMGP7828_convert_20100809003942.jpg

コインブラでユーラシアの旅の終わりにふさわしい場所を調べてみたものの、なかなかいい場所が見つからなくて、結局、現在滞在中の安ホステル前にて15965キロのユーラシアの旅を終えたのが8月4日のこと。

リスボンに着いてからは、現地メディアから取材されたり、アメリカ大使館へ出向いたり、航空会社でリヤカー運搬について尋ねたり、その際に必要な大きなダンボールを探したり、日本へ送る荷物の送料を調べたり、その程度の事しかしていないのだけど、カザフスタンから答え始めた「リスボン」にいると思うと、あの時は遥か遠くだった「リスボン」にいると思うと、当時の事を思い出すと、色々なものが交錯し、ごちゃ混ぜになった妙な気分になる。


「どこへ向かっているんだ?」


無人の荒野で問いかけてきたトラックドライバー達は今日も車を走らせてるんだろうか。