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ALKINIST -あるきにすと- Toronto

Toronto 

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トロント入りしたのは日没間近の16時頃だった。
トロント入りといってもまだまだ郊外で、大都市を思わせるようなビル群が見えるどころか、周囲は山や川とのどかな風景で、地図を確認すればダウンタウンまではまだ20キロ以上もの距離がある。

この辺りで夜を明かし、翌日にダウンタウンを目指すか、あるいはこのままダウンタウンを目指してしまうか。道脇で思案する。

この時すでに40数キロを歩いていて、ここからさらにダウンタウンを目指すとすれば計70キロほど歩く事にもなるし、街灯があるとは言え夜間歩行になるし、必ずしもメリットばかりではないのだけど、もう寒空の下、テントを張りたくはなかったし、ここまで9日間、寒さや吹雪に耐えながら目指してきたトロントがもう目の前という事で気持ちは昂った。

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これまでの1日の最長歩行距離は1年半前、ウイグル自治区での約63キロ。
これに迫る事は何度かあったし、60キロ以上歩く事も多々あったけど、北米へ来てからは足を止める事が多く、さらには日照時間も短くなった事で最近は50キロ以上の歩行をしていなかったからか、55キロを越えた辺りから足に疲労を感じ始める。

はるか遠くにダウンタウンと思われる煌びやかなビル群が姿を現しても、その距離はなかなか縮まらない。
当初は21時頃の到着を考えていたけど、予想以上に足取りが重く、時間だけが刻々と過ぎていき、遠くに見えるビル群を見ては「まだまだ遠い」と溜息をつく。
足が痛い。重い足を引きずりながら歩き、道脇に座り休む頻度も増していった。
21時半、22時、時間はどんどん過ぎていく。
道脇に腰を下ろし、紫煙をくゆらせながら、やはり無難にテントを張って明日の到着にするべきだったと後悔。

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少しずつ歩を進めていけば、同じ様に少しずつ大きくなってきたビル群。
しかしダウンタウンまであと1時間か2時間か、足に痛みと疲労を抱えた状態では全く見当がつかない。とにかくもう歩きたくなかった。歩けなかった。

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ダウンタウン近くではあるが、空き地を見つけ、迷う事なくテントを張る。
ここがカナダ最大の都市である事、大麻の臭いがプンプン漂ったりと、危険要素もわずかながらあったけど、ここにテントを張る事しか頭になかった。
荷物にはいつも以上に気を配り、ベアスプレーも手元に置いてシュラフにもぐった。
歩行距離をチェックしてみれば69キロ、最長歩行距離を更新。
長い一日だったと思いながらテントから顔を出し、正面に見えるライトアップされたなんとかタワーやらビル群の明かりを眺めた後、眠りに就いた。

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何事もなく迎えた朝。
オタワから10日間目指し続けてきたトロントのダウンタウンに到着した。