ブックマーク
ALKINIST -あるきにすと- 6分の1の常識

6分の1の常識 

当然ながら中国において日本の常識は通用しない。
中国に身を置いている現在、時には多少の戸惑いを感じるものの、中国の常識の中で日々生活している。

河南省との境にある叶集という町を目指していたある日の事。
朝から歩くこと約2時間。

「ああ、またか」と溜息を吐く。

標識に従い、何度も地図を確認したにも関わらず、目の前に現れたのは高速道路の入り口。

IMGP1389_convert_20090129184534.jpg

茫然自失、ただ立ち尽くすしかなかった。
しかし立ち尽くしていても先には進めない。

とりあえず、叶集への迂回路を探すため、近くにいた中国人に尋ねるものの、彼の指差した先は目の前の高速道路。

「えっ、リヤカー引いて歩いてなんだけど」

と、ジェスチャーを交えて返答すれば、
彼は大きくうなずいて、再度高速道路を指差した。

ちなみに高速道路入り口には徒歩、自転車、バイクなどの乗り入れを禁止する看板が立っている。

IMGP1586_convert_20090129185928.jpg

「迷わず行けよ、行けば分かるさ」

半信半疑のまま高速道路へ向かうも、難なく入口通過。
それどころかニワトリ片手に歩く家族連れ、自転車の2人乗りなど、いるわいるわ。

IMGP1396_convert_20090129184717.jpg

日本ならこんな光景を見たドライバーが110番し、すぐに警察が駆けつけるのだろうけど、公安のパトカーは「興味ないよ」と言わんばかりの素通り。
本当に興味がなかったのだろう。

IMGP1412_convert_20090129185128.jpg

路肩が広い分、それ程の恐怖は感じなかったものの、横を通り過ぎていく車の風圧が体を襲う。
その度に祈らずにはいられない。
やはり高速道路なんて歩くところではないのだ。

祈りが通じ、約3時間の歩行の末、何とか無事に叶集到着。


全世界の人口の6分の1を占める中華人民共和国。
これが全世界の6分の1の常識なんだと思うとただただ恐ろしくて。



IMGP1408_convert_20090129184839.jpg
<写真>
高速道路のど真ん中を2人乗りする自転車。

IMGP1578_convert_20090129185827.jpg
<写真>
中国における飲酒運転の罰則。
罰金2千元(約2万8千円)、拘留15日。