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ALKINIST -あるきにすと- 富山に11年住んでいたおばちゃん

富山に11年住んでいたおばちゃん 

ウィニペグまで毎日何人ものサイクリストと会ってきたけれど、ルート16にはカナダ横断に挑戦しているサイクリストの姿はない。ほぼ全てのサイクリストはカルガリーへと至るルート1を走るらしい。ある程度予想していた事だけど、ここまでいないのは予想外だった。

時折草原に響き渡るクラクションに手を上げて応えたり、振られた手に振り返したり、あるいはたまに現れる商店での会話、これらが毎日の数少ないコミュニケーションだったりする。


この日も黙々と草原の中を西へ歩いていたのだけど、そんな中道脇に停車した1台の車。

日本式のお辞儀と共に「コンニチハ」とおばちゃんが声をかけてきた。

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ウィニペグからビクトリアへ向かっているCharlotteとBob。
このおばちゃんの口からたまに日本語が発せられたのだけど、なんと富山に11年も住み、大学で英語を教えていたらしい。
ずいぶんと富山を愛していらっしゃるようで「トヤマ、トヤマ」と何度も繰り返した。


「日本は好きですか?」

返ってくる答えは予想できたけど、なんとなくそう尋ねてみた。

「大好き」と思った通りの答えを口にした後、胸に手をあて「特に日本人の心が」と彼女は言った。


文化でも自然でも食事でもなく、真っ先に日本人の心がと言われば一日本人として嬉しく、誇らしくも思え、このおばちゃんと関わった富山人ありがとうと感謝してみる。富山行った事ないけど。

富山に11年も住んでいたカナダ人と富山を訪れた事のない日本人がサスカチュワンの草原のど真ん中で出会った事がやけに面白く楽しく感じられたのだけど、これもまた縁か。