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ALKINIST -あるきにすと- バンクーバーまで850キロ

バンクーバーまで850キロ 

何を目的にバンフにやって来たかというと、観光などではなく車輪の問題を片付けるため。

車輪の異変に気付いたのはエドモントン辺りからだけど、タイヤの磨耗の早さにはサスカトゥーン前から気付いていたので、けっこうな期間放置状態だった。
そのボロボロの車輪でジャスパーまで歩き、さらにはロッキーの峠を越え、バンフまでやって来たのだった。


日本から車輪を受け取るつもりだったけど、車輪待ちの間の滞在費を考えるとこちらで新しいものを探した方がよいのではないかと思い至り、到着日に早速自転車屋探しを始めた。

バンフには同じ通りに3軒の自転車屋があった。
車輪を持ち込み、「これと同じものを探している」と伝えるものの、どの店にも在庫はない。
しかし3軒目の店で取り寄せてくれるという事になり、手数料がかかったものの、最悪カルガリーまで行く事も考えていたので往復のバス代は浮くし、わずか2日待ちで手に入るし、ここで車輪を入手するのが最善に思われた。ほんのわずかの手数料でいつ車輪がぶち壊れるかという不安やストレスから解放されるならそれは安いものだと思った。

ただ、ジャスパーの自転車屋で取り寄せをしたにも関わらずサイズが違ったという二の舞は避けたく、何度も何度も自転車屋のお兄ちゃんが嫌になるくらいに確認をした。


「この車輪は24×1 3/8で間違いないよね?」「間違いない」
「本当に大丈夫だよね?」「本当に大丈夫」


本当にしつこいくらいに確認をしたのでさすがに今回は大丈夫だろうと思ったのだけど、念には念を入れ、翌日も自転車屋へ行き、別の店員に再確認。
「問題ない」という店員に「何度もごめんね。ジャスパーの自転車屋で取り寄せしたのにサイズが違ってたから神経質になってるんだ」みたいな事を言って、これだけ確認したら大丈夫だろうと、ようやく安堵する事ができたのだった。


そして今日、車輪受け取りの日。

IMGP4909_R.jpg

すでに車輪は届いていて、リムテープを巻き、持ってきたタイヤを取り付ける・・・



おい、サイズ違うじゃねーか。



24インチらしいけど、指定したものではなく、タイヤ径より小さな車輪。
「あれだけ確認したのになぜ?」と当然ながら思う。頭の中が真っ白になり、その場に立ち尽くす。
文句を言う気にはなれず。そんな事より次の一手を考える必要があったし。
「自分のミステイクだ」とミスを認めた店員は、「チューブとタイヤもサービスするよ」と言った。
しかし欧州後半、残り1000キロで10本ものタイヤを使用した経験からIRCタイヤ以外は全く信用できなくて、「じゃあそれで」と即答する事はできない。


でも色々と考えた結果、バンクーバーまでは最短で約850キロ。
カナダで同型の車輪を入手するのは難しいと分かったし、カルガリーまで行ったところで無駄足になる可能性大、バス代も安くはないし。この車輪とタイヤを3本ほど持って行けば何とかなるのではないかと考えた。
とりあえずバンクーバーまで行けたら、その後の事はなんとでもなるし。

「リヤカーに車輪を装着できるか確認したいから」
車輪を持って宿へ戻り、リヤカーに装着してみたのだけど、

IMGP4911_R.jpg

幅が広すぎて装着不可能。
他の車輪、24インチ以外のものも探してもらったけどどれも幅が広い。他の2軒の自転車屋へも足を運んでみたけど求めているものは見つからず。

店員曰く「北米ではこれがスタンダード」なのだとか。
欧州では簡単に手に入った同サイズのタイヤもここでは手に入らない。


日本から車輪を取り寄せるという最終手段がまだ残されているけど、10月上旬にバンクーバーに到着しないといけないのでこれ以上の遅れはできれば避けたい。
結局、車輪修理、スポークの張替えを依頼した。
そのお値段、なんと新品の車輪2つ分!
とにかく高いので最も避けたいと思っていた手段だけどどうしようもない。



カナダ出国予定日 10月16日

トロント出発以来、1ヶ月1500キロペースで歩いてきたので、これから陽が短くなるとはいえ残り1ヶ月でバンクーバーへの850キロを歩き抜く事は余裕であるけど、スペアタイヤなし、しかも磨耗しまくってツルツルな現状。
「車輪はボロボロだけど、これはいいタイヤだよ」と自転車屋。
「これでバンクーバーまで行ける?」と尋ねてみると「多分」だって。

バンクーバーまで辿り着く事ができるのでしょうか。

お願いだから残り1ヶ月、無難に終わらせてください。
何事もなくバンクーバーまで歩かせてください。