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ALKINIST -あるきにすと- クリスとマルゴ

クリスとマルゴ 

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メルボルンへ向かうまでの2週間弱をクリス・マルゴ夫妻の家でお世話になる。
北米大陸徒歩横断を終え、彼らの家に着いた時、とても美味しい料理で迎えてくれた。
アップルパイも絶品だったし、お世辞とか抜きでマルゴの料理はとても美味しくて、毎日食べるのが楽しみ。

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彼らとはウイグル自治区の荒野の小さな商店前で出会い、その時は10分程度話しただけ。その後メールのやり取りを重ねたくらいで、実はほとんど彼らの事は知らない。
当時バンコクからパリまで自転車で旅した彼らのスライドショーを見せていただく。
本格的にスクリーンです。家も大きくてトイレ・シャワールームが4つもある。
キルギスからタジキスタンへかけてのパミールハイウェイの写真は鼻血出そうでした。
残念ながら歩けなかったけど、ここはとても行きたかった所なので。


彼らと再会してからの数日で分かった事は、バンコクからパリまで自転車で走り抜き、パミール高原の4600メートルの峠を自転車で越え、24時間70キロ歩き続けるトレイルウォークをしたり、テントや装備品を持って5日程山の中を歩いたりする人達で、その彼らの娘もトレイルランニングが好きで、高低差1000メートルある山の中を5時間40分で50キロ走り抜き優勝し、カナダトップのランナーというすごい家族でした。


北米大陸横断を終えた翌日から家の近くのトレイルを5時間くらい一緒に歩き、さらにその夜、「翌日はマルゴと一緒に家でのんびり過ごすか、クリスと山へ行くか」という選択肢を与えられ、「そりゃやっぱ家でゴロゴロでしょ」と思いながら、何を血迷ったか「マウンテン」と言ってしまった。



そして翌朝、クリス隊に入隊。山へ向かう。
マルゴはお留守番で、山仲間のカスリンも一緒。
ちなみにカスリンはバンクーバー到着前日にお世話になったスイス人。
まあ最初はこんな感じの山道でハイキング気分でした。

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「あの山を目指す」とクリス隊長。

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川を渡る。
カスリンはおばちゃんだけどアルプスの少女ハイジの国の出身なだけあってなかなか軽快な動き。

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ルートを工作中の隊長と副隊長。
口出しはせずにカメラマン役に徹する事にした。
自分達で山頂へと至るルートを探しながら歩いたのだけど、復路に迷わないように木の枝にリボンを結びながら進んだり、なんかこれ普通の山登りと違うと気付き始めた。

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万年雪というのだろうか。
硬く厚い雪上を歩く。

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景色は良かった。

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快晴なら下界が見渡せるらしいけど、雲海もまた素晴らしい。

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歩き始めて約4時間、山頂はもう目の前。

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岩壁をよじ登っていく2人。
ハイキング気分だったのに「なんだよこれ」という感じだった。
この人達はいつもこんな事をしているのかと。

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上写真の岩壁をなんとか登った。
写真で見る限りはそう難しそうに見えないけど、クライミングもやった事ないし、命綱もないので超怖いし、岩の出っ張りを探しながら、足を置けるわずかなスペースを探しながら少しずつ登った。

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前の2人はさらに先を目指すようだったけど、これ以上はもう無理だと判断。
オーストラリアへ行けなくなるのは絶対に避けたく、「隊長、もうダメです。ここで待ってます」と伝える。
彼らもロープや道具など持ってないし、しばらく先まで行った後、無理だと判断し、引き返す事となった。

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必死によじ登った岩壁を下る事になったのだけど、行きは良い良い帰りは怖い状態で降りる事ができない。
別ルートを探そうにも、楽に降りれる所はなかったが、幸いにも以前来た人が残していったロープを発見。何とか皆無事に降りる事ができた。

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結局1500メートル付近が最高地点。

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下山開始。
体力的には上りより楽だけど、危ない。
自分の親と同年代、自分より倍も年をとってる2人を追いかけるのが精一杯だった。
たまに霧がかって前を行く2人の背中が見えなくなった時は焦った。山の怖さを知る事ができた。

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結局往復10時間も歩いた。
「再挑戦はするのか?」とクリス隊長に尋ねたが、「ここはもうやらない」との事。
あれだけ勇敢に岩壁に挑んでいたけど、やはり怖かったらしい。


今回の山登りから得たのは、
自分の限界を超える事をしない事。
無理だと思ったら引き返す事。

今後歩いていく上で重要な事で、それらを再確認できただけでも来た甲斐はあったかな。