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ALKINIST -あるきにすと- 予定変更のお知らせ

予定変更のお知らせ 

アデレードから砂漠地帯北部へ至るまで、最大約250キロの無補給区間が数ヶ所あり、5~6日分の飲料、食料を携帯する必要がある。
メルボルン・アデレード間を歩行中、常に考えていたのは飲料の事。
リヤカーの荷台スペースを見てはどこにどれだけの飲料を積み込めるか頭を悩ませた。

正直なところ、5~6日分の飲料、食料を積み込めるだけのスペースがない。
仮に飲料を積み込めたとしても食料を満足に携帯する事ができない。
飲料、食料のいずれかを削るしかない。



「飲料、食料を積み込めるだけのスペースがない」



無補給区間、無人地帯を歩く上で致命的な現実。

荷台スペースが決して広いわけではないというのはカザフスタンの無人地帯などを歩いた時から分かっていた事で、当初はユーラシア大陸後に予定していたサハラ砂漠横断を断念した理由の一つだったりする。
サハラを歩くなら、運搬方法を一から見直す必要があった。


今使っているリヤカーがダメだという訳ではないです。
ユーラシア大陸、北米大陸を横断、2万キロ以上を支えてくれた耐久性に優れたものなので。ただ250キロもの無補給区間を歩く上で、荷台のスペースが十分でないという事。



カナダ滞在中にたまたま写真を見て直感的に決めたオーストラリア縦断。
情報収集する事なく、ビザを取得し、航空券を購入したわけだけど、これから南半球は夏。

「いい季節にやって来たな」と考えていたものの、「ダーウィンなど北部は雨季だ」とカナダ歩行中に出会った徒歩旅行者に教えられ、「夏に豪州の砂漠地帯を歩くのはアホだ」と皆に言われ、「なぜ今の時期に歩くのか」と尋ねられたけど、理由なんてものはなく、来た時期が今だから。
準備不足に情報不足、色々なものが露呈し始めた今になってようやく来る時期を間違えたなと考え始めた。相変わらず適当だなと思った。

砂漠地帯とはいえ、オーストラリアなら大丈夫だろう。
何の根拠もなくそう思い、砂漠地帯を歩くためリヤカーを持って夏のオーストラリアにやって来たけど、見通しが甘かったという事は否めない。


色々と考え、悩んでいた先日、ある冒険家の手記を読んだ。
オーストラリアの中心に位置するアリススプリングから西海岸までラクダ3頭を連れて砂漠を歩き抜いた記録。
冬季の歩行であるにも関わらず、1日当たりの水分摂取量は考えていた以上に多く、ややショックだった。
冬季でこれだけの水を持つなら、夏季に歩く自分が予定していた量では足りないはずで、水分摂取量を見直す必要があった。


しかしもうこれ以上荷台に積めない。


これを読むまでは執念深く可能性を探っていたけど、これが決め手となった。


250キロの無補給区間の中間地点辺りに車などをチャーターし、飲料の補給でもしようかと考えたりもしたけど、ぼくが歩く道は所詮アスファルトな訳で、無補給区間とはいえ交通量も多い立派なハイウェイで、餓死・渇死の心配もないし、サハラ砂漠や交通量のない砂地の道ならともかく、そんな楽な環境下で車をチャーターして補給を受けるとかアホらしいし、そこまでの情熱もない。車をチャーターする金もない。

夜間歩行をする事で日中の暑さを避けることも考えたものの、夜間歩行は好きじゃない。
ウイグルを歩いていた時、1度だけやったけど、深夜にリヤカー引いて歩いている姿なんて怪しいに違いなく、公安から職質を受けるわ、真っ暗なんで景色も見えず、時間がいつも以上に長く感じられたり、デメリットも多く、あまり気が進まない。


予定とか信念とか、色々なものが揺らぎ、崩れてしまいそうです。
信念は崩れませんが、予定は崩れました。


仕事が見つかりました。明日から仕事です。
しばらく越夏します。


一応言っておくと、オーストラリア縦断をあきらめたわけではないです。歩く気満々です。
夏が過ぎるのを待って砂漠地帯へ向かいます。