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ALKINIST -あるきにすと- 無人地帯と雨

無人地帯と雨 

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オパールの採掘で有名なCoober Pedy周辺はこの様に地面が掘られ、土が積み上げられている。
そんな景色を見ながらCoober Pedyを出発し、迎えた翌日。
いつもの様に日の出前から歩行を開始した。

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徐々に明るくなっていく空。そして現れた虹。

前日夕方から雲が多く、嫌な天気だなとは思っていたけど、前方の空では雨が降っていたのかと思い、もう雨が上がったのだろうと1度は安堵したのだけど、

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やはり嫌な空模様。

アデレードを出てから約20日。曇ったのはわずか1日。
いつも青空の下、強い陽射しを浴びながら歩き、あまりの暑さに「雲よ出ろ、雲よ出ろ」と思いながら歩く事もあったけど、いざこうして空が雲に覆われれば、勝手なもので「晴れろ、晴れろ」と唱えてしまう。
自分が望んでいるのはこんなどんよりとした雲ではなくて、さわやかな青空と入道雲のような力強い雲なのである。

そんな事を思いながら歩いていると、前方からやって来たバイクが止まった。
オーストラリア人との事で、少なくとも自分よりはこの辺りの天気についての知識もあるだろうと思い、彼にこの先の天気について尋ねてみると、「南は雨が降るけど、ここから北は問題ない」とライダー。

しかし自分の目にはむしろ南より北の空の方がどんよりしたものに見えた。



無人地帯と雨。

ウイグルとカザフスタンで経験済みなのでこの怖さは十分に分かっている。
ウイグルで雨に見舞われた時は幸いにも道路下に雨をしのげる通路があり、そこに逃げ込んだけど、カザフスタンでは周囲に人工のものなど一切なく、ただ雨に打たれるしかなかった。
どうする事もできず雨に打たれ続けた後、すぐにテントを張り、濡れた衣類を着替えたが、この雨で風邪をひき、その後数日は体に力が入らず、その後辿り着いた町で尻に注射を打たれた。



ライダーの天気情報は話半分に聞いておいて、とりあえず先を目指した。
雨に降られないうちに屋根のある所まで行き、その後の事は改めて考えようと思った。
ここもまたカザフスタンと同様に延々と何もないけど、ここから10キロも歩けばレストエリアがある事は分かっていた。多分そこには屋根があるはず。
そこを逃せば次のロードハウスまでまた100キロ近く何もないという環境だった。

レストエリアに着く前にパラパラと雨が降り始めた。
強い雨ではない、パラパラという程度ではあるけど、足早に進んだ。


なんとかレストエリアに辿り着き、空の様子を見ながら屋根下で昼食をとったものの、相変わらずパラパラという雨が空から降り続けていた。

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この程度なら何とか歩けるというくらいの雨。
しかしこの雨がどう変化するのか全く予測できず、半日で歩行を終え、屋根下にテントという無難な選択をした。


降ったり止んだり、時折強く降りながら、その後雨は3時間で止んだ。
結局は歩こうと思えば歩く事のできた雨だった。
しかし後から何を言っても全て仮定の話でしかなく、さらに強く、長時間降り続けていたかもしれないし、落雷があったかもしれない。
こういう状況下での判断は難しいけど、やはり無難な選択をするべきなのだと改めて思う。

自然はいつも学ばせてくれる。