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ALKINIST -あるきにすと- 東ティモールの歩き方

東ティモールの歩き方 

ダーウィンを出てからおよそ1時間、窓からは青い海だけが見えていた。
変化のない景色を眺めても面白いものではないし、思いを巡らす事もできず、読みかけの本をひたすら読んでいたのだけど、ふと窓を見れば遠くに山が見え、雲の間からは海岸線が見え、ティモール島南端に達した事が分かった。


東ティモールへの第一印象は山。
この国に対する情報などほとんどなく、海に囲まれた島国という事で海、ヤシの木、南国をイメージ。山など全く想像してもいなかったが、雲海の間を割って姿を現した山の存在感は圧倒的だった。

その後も飛行機から見下ろす景色は延々と山。
ところどころに舗装路ではない小さく細い道が見え、そこを走っている車もわずかではあるが確認できた。


そして人々が暮らしているであろう集落も見る事ができた。
自分の全く知らない環境下で暮らす人達。
ここは何という場所なのか、そもそも名前はあるのか。
どんな人達がどんな風に暮らしているのか。

好奇心は尽きる事がないし、ここまで3大陸を歩いてきたわけだけど、歩く理由、その根底にある部分は全く変わらない。

できる事ならこの集落を訪れてみたいと思うのだが、延々と続く山を見れば、東ティモールの地を踏む前に戦意喪失。当初は東ティモールを歩いて一周する予定だったが、着陸前の時点で予定を白紙に戻した。

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ティモール島南端から北端の海沿いに位置するディリまで延々と山が連なっていた。
ディリのすぐ側まで山が迫っている。

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東ティモールで最も標高の高い山は3千メートル近いらしい。

ディリから南下すれば険しい山々、東西を海岸線に沿って進むなら、多少のアップダウンがある程度だと現地人に教えられた。


東ティモールを一周する気はもうなくなった。
ティモール島東端のTutualaまでバスなどを乗り継いで行き、ディリを経て、ティモール島西端のインドネシア・クパンを目指すか。
あるいはディリからそのまま西進し、クパンを目指すかの二択。

ティモール島を横断してみたい気持ちはある。
東ティモールの首都がディリである事をどれだけの人が知っている?
そんな国の東端のTutualaなんて誰も知らないだろう。
自分が惹きつけられるのは観光地なんかじゃなくて、そんな所なので。

しかしディリからTutualaへの直通バスなどなく、最悪バス2本を乗り継いで、さらには車をチャーターしないといけない。とてもとても面倒だ。

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とりあえず今日はバスターミナルというか、建物など一切なしのバスの発着場所を探す。
どのくらいの頻度でバスが出ているのか知りたかったけど、そんな事聞いても無駄だとすぐに分かった。

発着時間なんて存在しないだろう。人が集まれば出発する。


出発前のバスを眺めながらシミュレーション。
ダッフルバッグとバックパックは屋根の上でいいけどリヤカーはどこに載せようか。
荷物代としていくら必要なのだろうか。

車内を覗いてみれば、狭い座席に人がギッシリ。
超狭い通路、座席下には荷物がガッツリ。
ああこんなバスには乗りたくないなあ。

Tutualaまで行きたいのだけど、どんどんと歩行意欲が削がれていく。


この国をどう歩こうか。
現時点での予定は未定。
問題はTutualaへの移動手段と、クパンから次の島への船の予定。
そして自分のモチベーション。

ルートは無数にあるので、地図を見ながら検討し、悩む。
そんな喜びを今は感じている。



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