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ALKINIST -あるきにすと- Atapupu

Atapupu 

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当然ながら国境という場所は堂々と写真を撮っていい場所ではないのだけど、インドネシア入国時に迎えてくれた"WELCOME TO INDONESIA"をバックに写真を撮りたいなと思って、警備兵に尋ねたら、「撮ってもいいよ」だって。
さらには「お前の写真も撮ってやる」と記念写真のカメラマン役までしてくれた。


国境の銀行で両替をした際、「インドネシア語でありがとうは何?」と尋ねてみると、「テリマカシ」との事。なんか聞き覚えがある言葉だけど、インドネシア語だったのか。
最初に覚えたインドネシア語はテリマカシ。今最も多用している言葉。


イミグレでリヤカーを見た職員に「どこへ行くのか?」と尋ねられ、「クパン」と当面の目的地を答えれば、皆正気かという顔をし、「ここからクパンへは300キロもあって、延々と山道が続いていて歩くのは無理だ。バスを使え」と言われた。

ディリへの機上からこのティモール島を見下ろし、南北に山々が連なっている事は分かっていて、これからクパンまでの道、厳しい山越えがある事も覚悟はしていたけど、インドネシア入国早々嫌な話を聞いてしまった。しかしバスを使う気はないし、歩くしかない。

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とまあこんな感じでインドネシアの歩行は始まった。

道脇には1キロごとにクパンへの距離を示す石標があって、最初に現れたのは313キロ。
何の情報もない、あるのはイミグレ職員から聞いた「険しい山がある」という情報のみ。
この300キロ超の間にどれだけの山があるのだろうか。

若干の不安と大きな憂鬱を感じた。

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国境近くの商店に入ってみれば、見覚えのある青い缶が目についた。

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インドネシアの辺鄙な田舎にまで勢力を伸ばしているなんて。
インドネシアでの最初の感動と歓喜だった。


すごいよ、大塚製薬。

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国境を越えて変化したものは、公用語と通貨、時差が1時間生じたくらい。
人の見た目、内面も特に変化を感じない。

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道脇でヤシの実ジュースを飲んでいた少年は「飲むか?」と言い、ヤシの実を渡してくれた。
インドネシア入国から良い事ばかりでこの国を好きにならないはずはない。
インドネシアを訪れるのは初めてだけど、第一印象は大変よろしい。



国境から歩くこと約10キロ。
テントを張れそうな場所を探しながら歩いているうちに夕方になり、さらにこのタイミングで町が現われ、テント設営場所は一向に見つからなかった。

日没が近付いてもなかなかテント設営場所が見つからない時、わずかながら不安と焦りを感じるものだけど、いつもなんとかなっているので、どこか心に余裕もある。


テント場所はなんとかなるけど、携帯していた水の量が少なかったので、近くにいたおばちゃんに「水をください」とお願いし、分けていただいた。
その際、「この辺にテントを張れそうな所はないですかね?」とジェスチャーで尋ねてみると、「そこに張れ」と隣の家の敷地を指差すおばちゃん。
しかしおばちゃんの家じゃないし、家主不在だし、「まずいんじゃないの?」と聞き返すと、「大丈夫だ」と他人の敷地なのにおばちゃんは言った。

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結局さらにもう1軒隣の人が「うちにおいで」と招いてくれ、庭にテントを張らせていただく。
近所の人やら、30人くらいの野次馬がやって来た。