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ALKINIST -あるきにすと- 甘粛省紅城

甘粛省紅城 

いつしか雪は勢いを増し、あっという間に周囲を白く染めた。

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牛やロバを使い、畑を耕している光景を見て、春の訪れを感じたのが数日前の事。
蘭州でも日中の気温は15℃と暖かく、朝夕の寒さも和らいでいた。

春の訪れを感じつつ、振り返った冬。
暖かくなったのをいい事に、寧夏での吹雪を懐かしく思い、去りゆく冬にほんの少しの寂しさを感じていたら、またまた雪に降られる始末。

「春はまだだけんね」

と言わんばかりに勢いを増す雪を前に、冬が終わる事をほんの少し寂しく思ってしまった事がアホらしく思えてしまう。

寧夏の雪は美しい結晶で、厳しい環境下にいたにも関わらず、ジャケットの袖口に付いた雪の結晶に一瞬見とれてしまう程でもあった。
今回の雪は憎たらしいボタン雪。
強い向かい風と共に襲ってくるのだから、尚更憎たらしく思えてしまう。

勾配、寒さ共に、あの山の経験と比べる程でもないが、やはり冷たい雪の中を歩くのは寒いもので。
昼前に町に到着し、昼食。
出てきた牛肉拉麺を両手で覆い、かじかんだ指先の感覚を戻す。
感覚の戻った指でうまく箸を使い、麺をすすった。

ふと外を見てみると、雪舞う中、主の帰りをじっと待つリヤカーの姿。

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なんだか申し訳なく思ってしまう。

「お待たせ」
とリヤカーの元へ戻り、雪舞う道を進んだ。


そして到着した甘粛省紅城。

町に一軒の宿に行くも、

「没有」

もう聞き飽きた言葉。

町に一軒しかない宿に空部屋がないのは困る。
外は雪、5キロ先にも町はあるが、そこにも宿はないらしい。

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何とか毛沢東が掲げられた一室にありつく事ができたけど、ここは宿主一家の部屋。

3人並んで寝られる程の大きなベッドがあるが、彼らと川の字なのだろうか。