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ALKINIST -あるきにすと- 「T」から「C」へ

「T」から「C」へ 

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食堂に立ち寄り、ミルクティを飲む事がマレーシアでの日課だった。
ナシレマを食べた後、濃厚なミルクティをゆっくりと飲む事から1日が始まった。


ちっぽけではあるけれど、国境が近付いた時の懸念はタイでミルクティを飲む事は可能なのかという事だった。
できればナシレマもと言いたいところだけど、あれはマレー料理なのであきらめていたし、タイに入国後はやはり姿を消した。

肝心のミルクティはというと、食堂内をじっくりと見回してみれば、練乳の入った缶が置いてあり、よしこれなら大丈夫だなと思う。

そして食堂のおばちゃんにミルクティを飲みたい事を伝えるもここはタイ。



「ミルクティを飲みたい」



そんな簡単な事でさえ伝えるのは難しい。


マレー語でお茶は「テ(Teh)」といい、練乳を入れるならテ・ススといった。
隣国タイなら通じるかもと「テ」と伝えてみるけど全然ダメ。英語の「ティー」も通じない。


幸いデジカメの画像の中にミルクティを撮ったものがあったので、それを見せれば、「カフェー」とおばちゃん。
「違うよ、カフェじゃないよ」とジェスチャーで伝えれば、「じゃあこれでどうだ?」とおばちゃんは缶に入ったものを見せ、匂いを嗅がせてくれた。

缶の中には自分が望んでいる紅茶が入っていて、おばちゃんはこう言った。



「チャー」



「チャー」なんて日本語と同じ様な響きではないかとちょっぴり感動。

そういえば沢木耕太郎の深夜特急でも、茶、チャイなど「C」から始まるアジア、「T」で始まるヨーロッパと、アジアとヨーロッパとの境界をお茶で例えていたなと思い出す。

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マレーシアからタイに入った事以上に、この「T」から「C」への変化は日本への距離がまたさらに縮まった事を感じさせてくれ、濃厚なチャーを飲みながら一人ニヤニヤした。