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ALKINIST -あるきにすと- 雷打石

雷打石 

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前日は激しい雨に見舞われ、全てが濡れた。
夜通し扇風機を回し、靴を乾かした。

就寝前に外を見れば激しく雨が降っていて不安を感じたが、一夜明ければ雨は止み、曇り空。
いつ雨が降り始めてもおかしくない空模様だったけど、出発時より雨具を着用し、靴を濡らしながら歩き始めるのと、そうでないのとでは気分的に全く違う。

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しかし少し歩けばこんな状態。

前日の雨のみなのか、ここ数日降り続けていたものなのかは分からないけど、坂の上から下へと大量の雨水が流れ、道路は一部水没。
現在の靴の状態で突っ込めば悲惨な事になるのは明らかなので裸足でここは越えた。

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道路沿いの家にも浸水していたり、こんな感じで家の前に大きな池ができていた。

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歩行距離を短縮できるので、夕方からは国道を外れ、省道を歩く事にした。

道路幅は狭くなったが、交通量も半減、不快なクラクションも少なくなった。
快適な舗装路からデコボコ悪路、道なりに進めばよかった国道と違い、道も分かりづらい。

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メリットもデメリットもそれぞれあるけど、この小さな省道沿いの町や集落を見ながら歩き抜けるのは興味深くもあった。


何があるという訳ではない。
何もない所で警戒心と興味が入り混じったような視線を浴びる事も多いけど、自分が求めている場所はこの何もない、これまで外国人がここを訪れた事はあるのだろうかと思えるような辺鄙な所なのです。

何をする訳でもない。
ただ歩いて通り過ぎるだけ。



町全体が黒っぽい石炭の町があって、姉妹と思われる2人の女の子とすれ違った。
この子達はこの町から出て行く日はあるのだろうかなどと、余計なおせっかいであるけど考えてみる。
名前も生い立ちも知らないし、会話をした訳でもない。
ただすれ違っただけだが、たまたまここを通り過ぎた自分とここで暮らす彼女達の人生とがクロスした事が不思議なものに思えた。

人生なんてそんな巡り合わせの連続なのだが、この4年半の巡り合せは特に貴重なものに思える。上海が目前に迫った今、そんなことを考えた。

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目の前に寂れたアパートの様な建物が現れた。

カナダを歩いていた時、ふと足を止め、周囲を見渡し、3千メートル級の山々に囲まれているというシチュエーションに「とんでもない所にいるな」と思い、深く感動。
そしてこの現実が非現実に変わっていくであろう事に寂しさも感じたものだ。

カナダの山々の様に美しい訳ではなく、何もない殺風景な景色ではあるけど、ここでもあの時の様に足を止め、「何でこんな所にいるんだろうか」と思う。この先何度も思い出す景色になりそうだ。