ブックマーク
ALKINIST -あるきにすと- 風吹く朝

風吹く朝 

午前5時。

風音とテントの揺れで目を覚ました。
かなりやばい状況なのはテントの揺れ方を見れば明らか。
荷物を外に出し、撤収にかかるも失敗。

IMGP5026_convert_20090413233911.jpg

ある朝の惨劇の記録。


瓜州を出た途端、吹き付けてきた強風。
砂嵐がお出迎え。

IMGP5016_convert_20090413232803.jpg

風に乗り、空を舞う砂、空を覆う砂。
「おお、すげえ」と感嘆の声を上げたのも一瞬の事。
視界は悪いし、目に砂が入るし、たまらない。

瓜州までは西へ向かって歩いてきたが、次の目的地ハミへは北上する。
追い風が横風へと変化。
追い風なんてかわいいものだった。

横風になって改めて気付く風の威力。
一歩一歩歩くのと同時にしっかりと地面を踏みしめないと体ごと持っていかれてしまう。
歩行ペースも落ち、体力は消耗。

IMGP5020_convert_20090413233749.jpg

遠くでは無数の風力発電機が嬉しそうに、楽しそうに風車を回していた。



夕方になっても吹き続ける強風。
およそ1時間、風と格闘した末に敗北。
テント設営失敗。

その後、色々あったものの、風が弱まった一瞬のうちにテントを設営。
すでに周囲は闇に包まれ、月明かりを頼りに一気に組み立てた。
夕食を作る気力もなく、さっさと潜り込んだシュラフの中で感じる不安。

「この風がハミまでずっと続くんだろうか」
「今後どうやってテントを設営するのか」
「本当にハミまで行けるのか」

ハミへの道のり約350キロ。
初日にして、今後の歩行に大きな不安を覚えた。

そして迎えた翌朝の惨劇。

悲惨な朝。
敗北感を感じた朝。
自然の厳しさと己の無力さを感じた朝。