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ALKINIST -あるきにすと- オアシス

オアシス 

風の次は炎天下。

容赦なく照りつけてくる強烈な陽射しと、それに耐える日々が続く。

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連日の強烈な陽射しを浴び続けた肩がヒリヒリと痛む。
朝こそは肌寒さを感じるものの、9時頃からジリジリと気温は上昇。
日中の気温は35度程。
この暑さに喉が渇き、渇ききった口の中に不快感を感じる。

思い切り水をカブ飲みしたいところだけれど、限られた水量。
一口一口水分を補給して渇きを凌ぐしかない。

蛇口をひねれば水が出てくるという日常、思い切り水が飲める環境にあるという事は本当に幸せな事なんだと痛感する毎日。

風が止んだ日を境に急増した水分摂取量。

判断ミス。
所持する水量を甘く見過ぎていた。
ここまで暑さに苦しむ事になるとは考えていなかった。

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大誤算。
限られた補給場所。
新疆ウイグル自治区・星星峡以降120キロ近く、町はおろか商店さえもない。何もない。
地図を見れば星星峡以降、道路沿いにいくつかの地名が載っているものの、いざ着いてみればその地名の標識が1本立っているだけ。
本当にそれだけしかない。

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星星峡以降、毎日のように「コーラ、コーラ」と唱え続け、何度も何度もあの赤い缶を思い浮かべる日々。

この日も、喉が余計に渇く事など考えずに準備したパンを昼食に水をチョビチョビと口に含み、喉を潤わせていた。
猛暑の砂漠、日陰すらない炎天下の下でパンを食べるなんて自殺行為でしかない。
何を血迷ったか、パンにビスケットといういかにも喉が渇いてしまいそうな食料しか用意しておらず。
しかも瓜州到着前の食糧危機の教訓から、余るくらいがちょうどいいと、大量に。
我ながらもうダメダメ。

食後も相変わらずの陽射し。
「コーラ、コーラ」と、その事ばかり考え、長い坂を上る。
そして長い坂を上り終えた後に待っていたのは、

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救世主ペプシマン。

突如現れた星星峡以来の商店、120キロ振りの商店。
まさに砂漠の中のオアシス。

すぐさま2本購入し、120キロずっと思い続け、夢にまで見た一気飲み。
「ジュワー」っと口の中で弾ける炭酸、あの喉ごし。
思い切り水分を口にし、代謝も活発に。
額から大量の汗が流れ落ちる。

もうたまらん。

ただ、「格別の味」と言えるのは最初の1本だけ。
ガーっと飲み干したあの1本だけ。
残念な事に2本目は普通のおいしいペプシでしかない。

強烈な陽射しに限られた水というシチュエーション、そして何より120キロ思い続けてきたからこそ、あの味と感動を得る事ができたのではないかと。

この後5キロも歩けば、緑溢れる本物のオアシス出現。

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でも、自分にとってのオアシスは間違いなくこの古ぼけた商店でした。