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ALKINIST -あるきにすと- Don't look at me

Don't look at me 

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放牧地や家々を前を通過しようとする度に、勢いよく駆けてくる子供達の姿が見え、「またかよ」と溜め息をつき、「来るなよ」と思う。まるでドラゴンクエストのモンスターの様に続々と現れる。

「ユーユーユー」「マネーマネーマネー」と連日声をかけられ、ひたすら後ろをついてこられ、荷台を触られ、食器洗い用スポンジが盗まれ、イライラが絶頂に達して「家に帰れ!」とジェスチャーを交えて怒鳴れば石が投げられるエチオピアでの日々。
殴る素振りを見せたり、手で追い払うジェスチャーをした日の夜は、「何を子供相手にムキになってるんだ」とテントの中で反省し、こちらまで不快な気分になる。

『愛の反対は憎しみではなく無関心』 というマザー・テレサの言葉を引き合いに出すなら、「無視」する事は憎しみの先にある無関心に近い行為なのだと思う。ストレスなく歩くために手も振らず目も合わさず無視してみたけど、後方から石が飛んできてプッツン。

剥き出しの欲望、本能で迫ってくる彼らに対して、こちらも「怒り」という剥き出しの感情で対応してもいいんじゃないかと思う今日この頃。

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朝食をとろうと小さな村のチャイ屋へ行けばすぐに現地人に周りを囲まれた。
荷物が心配なのでチャイ屋の中で食事をとれず、リヤカー横に腰を下ろしてチャイを啜る。
そんな自分を中心に半円を描くように現地人がずらりと並び、何をするでもなく無言でこちらをじっと眺めている。上野動物園のパンダになった気分だ。

「こっち見んな」
「周りを囲むな」

歩いても足を休めても、全く落ち着く場所のない国である。

とんでもない数だったので思わずパノラマ撮影してみるが、とても入り切らない。
何人いるのだろうと、こちらをじっと見つめる顔を数えていけば、その数なんと110人。
「110人もいるよ」と周りを囲む皆に言ったらどっと笑いが起き、同じように笑った。

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人間に疲れ、苛立つ事も多いけど、決して嫌いとは言えない国。しかしエチオピアでの行程がまだ1300キロも残っている事を考えると頭が痛くなってくる。