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ALKINIST -あるきにすと- Livingstone

Livingstone 

先日、ヨハネスブルグからルサカへと向かうバスとすれ違ったのだけど、もう南アフリカからの長距離バスが走っているところまできてしまったのかと驚いた。

「ようやく」とか「やっと」ではなくて「もう」と感じたのはタンザニア、ザンビアとハイペースで歩き続けているからに違いない。
現在地よりタンザニアへ戻るより南アフリカへ行く方が近いという事実にもびっくりしてしまう。


この2カ月、ハイペースで歩き続けたのは単純に足を止めたいと思う所、見所がなかったから。ルサカの宿も高かったから1日休んだだけで再び歩き始めた。
そしてようやく辿り着いたオアシス・リビングストンでは丸3日の休養をとる。

リビングストンにはザンビア随一の観光地ビクトリアフォールズがあるのだけど、ザンビア側ではなくジンバブエ側から見る予定なのでパス。

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2日間ダラダラと過ごし、3日目の今日はジンバブエとの国境を隔てる橋まで散歩。
入り口には゛ELEPHANT CROSSING"の看板。

ボツワナには多くの象が生息していると聞くが、ザンビアにはいないだろと思っていたら、


看板通過から15分後……

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本当にいた。


道路からは見えにくい林の中に5頭程の象。
自転車に乗った現地人はいても歩いている人間など自分以外いない。
まともな旅行者はタクシーやホテルの送迎バスで町から10キロ離れたジンバブエやビクトリアフォールズを目指すのだけど、歩いてきてよかったと心底思い、初めて目にする野生の象に感動。

我々の間には鉄の柵や車のドアなど、隔てるものは一切なく、対等だった。
カナダで熊と遭遇した時もそうだったけど、この緊張感がたまらない。

ギリギリまで近づいて写真を撮れば、終始耳をバタバタさせてこちらを見ていたけどあの行動は威嚇なのだろうか?と思い調べてみたら、体が熱いため耳を動かして熱を逃がしているらしい。

カナダでは人と会う度に「野生の熊を見た事がありますか」と尋ねていた時期があった。皆が「イエス」と口を揃えたように、ザンビア人に「野生の象を見た事がありますか?」と訊けば、やはり皆「イエス」と答えるのだろう。

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この後象を目にする事はなく、リビングストンから10キロ歩き、国境に到着。
パスポートをイミグレーションに預ければ、ジンバブエとの国境を隔てる橋まで行ける。
右手には世界三大瀑布の一つビクトリアフォールズ。ここからの眺めでも十分な気がしたけど、ジンバブエで30ドルを払って入場する必要はあるのだろうか……。


この先はジンバブエを経てボツワナと考えていたが、ボツワナ北部は無人地帯が300キロ続き、象やライオン、ヒョウが生息するらしい。野生動物と遭遇できる魅力的なルートではあるけど、象はともかく肉食獣はちょっと……、という感じだ。

数カ月前にボツワナを自転車で走ったであろうジョンソンに無人地帯で水を補給できるか否かをメールで尋ねたところ、「ライオンが多く生息するので自転車での通行が許可されず、ザンビアへ引き返した」と返答があった。
彼が走ろうとしたのはチョベ国立公園を東から西へ抜けるルートで自分の考えている南下ルートとは異なるのだけど、ライオンへの恐怖心から気持ちが折れつつある。

インターネット上には同ルートを自転車で通過したサイクリストの記録がいくつか残っており、肉食獣に殺されたという情報はないのだが、やはり彼らもまた「ライオンがいるので自転車は危ない」と現地人から言われている。
数人のサイクリストが無事に通過したから自分も大丈夫なんて過信する事はできないし、こちらは時速5キロの徒歩なのである。

ライオンがいる危険地帯、300キロの無人地帯という過酷なルートを避け、200キロ歩行距離が増えるけど無難な道を選ぶべきなのかとても悩ましい。

7:3で気持ちは固まっているが……。