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ALKINIST -あるきにすと- ウォ―キングサファリ

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ウォ―キングサファリ 

ザンビアから先へは2つの選択肢があり、リビングストンからボツワナへは65キロ、ジンバブエへは10キロ。

色々と悩みつつも気持ちはほぼ固まり、ライオンが生息するというボツワナ北部の歩行を避け、ザンビアからボツワナのカサネを経てジンバブエ・ビクトリアフォールズを目指そうと考えていた。
昨日ジンバブエ国境まで歩いたのは、この道を歩く事はないからせっかくなので歩いてみようかという気持ちからだ。


今朝は5時前に宿を出発し、ボツワナ国境を目指したのだけど、数キロ歩いたところで足を止めた。「本当にこれでいいのだろうか」と自問する。野生の象が生息するボツワナ北部を歩くのはアフリカ縦断のメインだったし、そんな簡単にあきらめて良いものなのかと。

しかし草食の象はともかく、相手は百獣の王ライオン。強盗であればお金を全て渡して命を助けてもらう事ができるけど、ライオン相手に交渉などできるはずもない。
「これでいいのだ」と己に言い聞かせ歩き始めるが、100メートル先で再度足を止める。
そしてボツワナ国境に背を向けて歩いてきた道を引き返し始めた。

DSC_3021_R.jpg

昨日歩いた道をリヤカーと共に歩き、国立公園入口に到着。
野生の象を見た道なので期待が膨らむ。
昨日はこの入口から15分歩いたところで象を目にしたが、残念ながら今日は象の姿はなかった。

カナダ人にとっての熊の様にこの辺りに住む人にとって象というのは身近な動物なのだろうと思ったけれど、それは言い過ぎだったかもしれない。昨日はラッキーだったのだ。
なんて思っていたら、道路を横断する象の群れが前方に見えた。

DSC_3024_R.jpg

急いでカメラを取り出すも間に合わず、自転車に乗った現地人と1頭の象しか撮れず。
わずかのタイミングで象との出会いのチャンスを逃してしまったと悔やんだのも一瞬の事。

DSC_3028_R.jpg

道脇の茂みの中に象の群れを発見した。
草を食べている象をしばらく観察、少しずつ動きが活発になり、来るぞ来るぞと思いながらカメラを構えたら、来た!

DSC_3035_R.jpg

車も数台やって来て、象が道路を渡り終えるまで待機。
クラクションを鳴らしたり、象を刺激するような事はもちろんしていないのだが、1頭の象が威嚇するかのようにこちらに近づいてきた。
ドライバーも危険を感じ、ゆっくりと車を後退させる。ビデオカメラを手に動画を撮っていたのだが、モニターに映った殺気立った気配の象を見てまずいなと思う。



自分と象との間には鉄の柵も車のドアも何もないのだ。象に背を向けて逃げる。
リヤカーが目に入り、どうしようかと一瞬考えたけど、「知らん」と相棒を置き去りにする。
しかし突然の事に体が対応しきれず転倒。ゆっくりと後退していた車の側部に頭をぶつけたが、すぐに立ち上がる。車に助けを求めようかと思ったが、振り返ると威嚇してきた象の姿はなく、九死に一生を得た気分。



象の群れが道路を渡り終え、車が動き始めた時、もう1頭の象が茂みから現れ、道路を渡っていった。


こちらに向かってくる象を目にした時の恐怖心は表現できないのだけど、カナダでテントを張っていた時、熊が押しつぶしてきた時の絶望感に似ているかもしれない。
興奮が鎮まると、転倒した時に負った右手と両膝の傷がズキズキと痛み始めた。左肩も打ったようで痛みがある。
そして自分でも何だかよく分からないのだけど無性に笑えてきた。

サファリカーでは体験できないリアルウォ―キングサファリだった。
動物の生活圏をサファリカーで訪れる事にはあまり興味がない。逆に一般道沿いに野生の動物が生息しているというシチュエーションにはものすごく魅力を感じるのだが、今回の件でその危険性を存分に感じる事ができた。

歩きたいと思っていた野生の象やライオンが生息するというボツワナ北部だったが、さすがにもう歩こうとは思っていない。
十分に野生の象を堪能できたし。ライオンやヒョウはまずいが象はとろそうだし大丈夫だろうという考えも全くの過信であった。

象はやばいです。

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