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ALKINIST -あるきにすと- 象の恐怖はまだまだ続く

象の恐怖はまだまだ続く 

明りなどないテントで過ごす夜は7時から8時に寝るのが常だが、宿に滞在する時はここぞとばかりに夜更かしをし、睡眠不足に陥るという事を繰り返している。
4日滞在したリビングストン、ビクトリアフォールズでも1日の睡眠時間は4時間程で、眠い目をこすりながら再び歩き始めた。

暑すぎる事のないぽかぽかとした陽気が気持ち良く、次第に瞼が重くなっていく。
少しでも目を閉じればそのまま眠りに落ちていくのではないか。
気が付けば車道にはみ出していてという居眠り歩行がありそうで怖い。

腕時計に目をやれば歩行終了の目安と考えている17時まであと3時間もあった。
今日は早めに歩行を終えた方が良いかもしれないなと思った時だった。
こちらを直視する象の姿がブッシュの中に見えた。

一瞬にして目が覚め、体が熱くなっていくが、再度ブッシュを見てもそこに象の姿はなく、寝惚けていたのか、ただの見間違えなのか、大きな溜め息を吐いた。

おかげですっかり目は冴えたものの、こんなにも頭の中が象に支配されているなんてと苦笑い。

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野生の象が多く生息するボツワナ北部は避けたが、ジンバブエにも象はいるようで、象に注意の標識を何度か目にした。常に周囲を見回し象を探す。暇つぶしにはとても良い。

歩いていて象と遭遇する事はなかったが、テントを張ろうとブッシュの中へ入ると大きな象の糞が落ちていたり、その気配は確かに感じる事ができた。

ここにテントを張るのはやはりまずいのだろうか……。
進行方向にテントなど障害物があった場合、象は避けてくれるのだろうか……。

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悩みつつも象の糞から5メートルほどの場所にテントを張る。
倒木が左右,後方をガードしてくれるはずなので大丈夫だろう。

幸か不幸か、この夜、象が現れる事はなかった。


この2日後、そろそろ歩行を終えようかと思っていた夕方に辿り着いた村の外れで警察が検問をしていた。
田舎だし大丈夫だとは思うけど、念のためこの辺りの治安でも確認しておこうかと「この辺にテントを張っても安全ですよね?」と尋ねてみれば、「デンジャラス」という予期せぬ答えが返ってきた。
「えええっ」と声を上げれば、「エレファント!」と警官。
その返答に思わず「おおっ」と感嘆の声をあげ、「ここにも象がいるんですね!」と目を輝かせて興奮。

「この先は危険だからこの周辺でテントを張るように」という警察の指示に従い、検問の裏へ行こうとしたら、警官は「そこは村人がうんこをする所でくさいからやめとけ」と鼻をつまむジェスチャーを示した。
人糞まみれのテント場所は象の生息地より嫌である。


翌朝はいつものように真っ暗な日の出前から歩き始めた。
暗闇の中にいつ象のシルエットが浮かび上がるか、いつ道脇から現れるか、心臓をドックンドックンと激しく鼓動させながら歩く。
やはり夜明け前まで待つべきだったのではと思い、この場に留まる事も考えたけど、前進を続けた。結局象が現れる事はなかったが、このスリル、緊張感がたまりません。