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ALKINIST -あるきにすと- Day 316 Cape of Good Hope

Day 316 Cape of Good Hope 

ケープタウンから喜望峰へは約70キロ。歩いて1日半の距離。

出発前日、パスポートの再発行のため日本領事館を訪れた際、職員の方と少し話し、ケープタウンの治安を確認。
安全だと思っていたケープタウンだがそれはあくまでヨハネスブルグよりは安全というくらいであって、邦人が被害に遭うケースも少なくないのだとか。
犯罪発生件数はヨハネスブルグの方が上だけど、犯罪発生率はケープタウンの方が高いと教えられる。
無数のバラック小屋が集まるタウンシップがあると聞かされた時は嫌な予感がした。宿のスタッフも「郊外は危ない」というくらいだしどうしたらいいのか……。
職員の方に交通量が多く、タウンシップを避けられるルートを教えてもらったが、最後の最後まで気を抜く事ができない国である。


今更ながら南アフリカは歩いてはいけない国なのではと思い始め、「南アフリカを1400キロを歩いて強盗被害1度って結構良い方なんじゃないですか?」と訊いてみたら「悪くはない」との事である。



これ以上何も失いたくないので、万一の強盗に備え、喜望峰へ行く際の荷物はこれだけ。雨具、パンク修理道具、空気入れ、三脚、歯ブラシ、シャンプー、タオル、食料。
カメラを置いていく事はできないけど、パソコンやHDD、日記などなど、大切なものは全てケープタウンの宿に残し、最低限のもののみ持っていく。


宿を出て2キロ程歩いたところに歩道に堂々とテントが張られていて足早に通過。
さらにその先には路上生活者が5人くらいおり、不穏な空気を感じ、彼らの横を通るのはまずいと判断。
彼らに気付かれないよう踵を返し、迂回路を探す。
その後も茂みの中にテントが張られていたり、嫌な雰囲気の場所もいくつかあったけど、何とか海沿いに到着。

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ミューゼンバーグから先は安全と聞いていたので一安心。

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そして一夜明け、エジプト・アレクサンドリアから316日目。
喜望峰への最後の歩行。
水平線から昇る日の出は拝めなかったけど、淡いピンク色に染まった空が美しい。
スーダンの砂漠やケニアのトゥルカナ湖沿いを歩いていた時、毎朝の様に地平線から昇る太陽を横目に歩いていたが、アフリカ大陸縦断中に拝む日の出はこれで最後かと思う。


アレクサンドリアで地中海を眺めながら、大陸南端に立ち、海を見ている自分の姿を頭に思い描いてみたものの、全くイメージできなかった。
1万キロを超える途方もない距離はもちろん、病気や治安、政情不安な国に過酷な自然環境など不安要素も少なくない。もちろん歩き抜くつもりでいたけれどそれができるかどうか不確かであった。

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大陸南端の喜望峰が近付き、そんな事を思い出し、エジプトからここへ至るまでの長い旅路を振り返ってみる。
目の前にはあの時イメージできなかった青い海があった。

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そして遂に喜望峰到着。
過酷だったトゥルカナ湖沿いを歩いていた時、強盗被害に遭った後など、歩く事をあきらめそうになった事もあったけど、最後まで歩き続けてきて本当に良かった。

お世話になった人達の顔が浮かぶ。
出会い、救いの手を差し伸べてくれたアフリカの人達に感謝。
いつも支え、応援してくれている人達にも感謝。
おかげさまで無事アフリカ大陸縦断を終える事ができました。

エジプトから歩いてきた事を知った人達と記念撮影。
「これからどうするんだ?」と尋ねられ「次は南米です」と答えれば、そこに居合わせたコロンビア人に「コロンビアも歩け」と言われた。
うーん、まだルートは決まっていないけど、検討します。

大西洋を眺めながら、次はこの海の向こうだなと改めて決意。
五大陸目となる海の向こうの大陸に想いを馳せてみた。