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ALKINIST -あるきにすと- 大陸本土へ

大陸本土へ 



夜のうちに雨が降り、水たまりがいくつもできていた。
小屋の中で一夜を過ごせてよかった。テントを雨が叩けば本当に不安になる。
チリに入ってからは未舗装路が続く。
気温は低く、さらには正面から冷たい向かい風が吹きつける。

歩行開始から40キロ、8時間以上も風が吹き続けた。
遂にパタゴニアが正体を現したかと思ったが、ウイグルや南アフリカで経験した前屈みにならないと歩けないような風ではなく、パタゴニアの真の姿を知るのはもう少し先の事になりそう。

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そんな時に現れたのがこれ。
パタゴニアで見たいと思っていたフラッグツリー。

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アップダウンも多く、未舗装路、向い風と共に三重苦であった。

国境からポルベニールへは約140キロ、歩いて3日の距離。
携帯していた5リットルの飲料水で何とか持ち、食料に関しては手軽に食べられるパンなど尽きてしまい昼食はストーブを出して調理した。
これまで6年近く歩いていているけど、昼食時にストーブを出した事は10回もない。
極めて稀なケース。

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最後の最後までアップダウンがあり、その先に現れたのがポルベニール。
人口7000人らしいが思ったよりも大きな町だ。
楽な歩行環境ではなかったし、食料や飲料が限られた事もあり、遠くに町影が見えた時は「やっと着いたか」と嬉しく思った。何よりもここでフエゴ島の歩行が終わり、南米大陸本土へ渡れるという事が気持ちを昂らせた。

ウシュアイアは南米最南端と言われたりもするけれど実はフエゴ島という島にある。
そこから大陸本土へ渡るには船を使うしかないのだが、動力を使った移動は可能な限り排除したく、大陸本土南端のプンタ・アレナスから歩き始める事も考えていたのだけど、航空券の値段やら色々と事情があって結局ウシュアイア発となったのでした。
そんなフエゴ島の歩行もここで終わり。ポルベニールから船でプンタ・アレナスへと渡る。

海に面した町に着き、周囲を見渡すもフェリーターミナルのようなものはない。
遥か遠くに大きな船のようなものが見えたがまさかあそこまで行くのか……。
「ドンデ バルコ、プンタ・アレナス?(プンタ・アレナスへの船はどこ)」と覚えたてのスペイン語で尋ねてみれば、現地人はやはりその大きな船らしきものを指差した。

出航は14時らしい。あと2時間しかないではないか。
10キロくらいありそうに見えるが果たして間に合うのか?
チリ・ペソも持っていなかったので銀行へ行きキャッシング。
ポルベニールはなかなか良さそうな所でゆっくりしたかったのだけど、時には走り、何とかフェリーターミナルへ到着。慌ただしいフエゴ島での最後だった。
チケットは約10ドル。リヤカーの運搬料金は取られず。
プンタ・アレナスへの約2時間は疲れからかずっと眠っていた。

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そして南米大陸本土に上陸。