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ALKINIST -あるきにすと- パタゴニアの暴風

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パタゴニアの暴風 

窓から外の様子を窺い、風が強い事は分かっていたが、荷物を持って外へ出てみると想像以上の強風だった。
これがパタゴニアの強風か……。強風というより暴風である。
障害物の多い街の中でさえこれだけの強さなのに、街を抜けたらどうなるのだろう。

5キロ離れたフェリーターミナルまでは横風だったが、ここから先は進行方向が変わり、向い風を受ける事になる。顔を下げ、一歩一歩、しっかりと踏みしめるように進む。
荷台に載せていたパンが一瞬にして遠くへと飛ばされた。「ああ貴重な食料が」と思ったがきっぱりあきらめ、追わない。
いつどこで風は弱まるのだろう、これから連日この風の中を歩く事になるのだろうか……。
不安は尽きない。

進行方向が変わる度に横風、向い風、追い風と風向きが変わっていくが、横風にあおられれば風の勢いでじりじりと路肩の端へと追いやられる。軌道修正しては風にあおられてを何度も繰り返す。
唾をペッと吐いてみれば風に乗って10メートル以上も飛んでいった。

追い風になれば風の勢いを背中に受け、小走りで進んでいく。
やや急な下り坂を駆けた時、時速13キロ程度になるのだが、歩行終了後にサイクロコンピューターを確認するとこの日の最高時速は13キロ。ほぼ同じスピードが出ていた。

DSC_1896_R.jpg

有人地帯を抜ければ延々と何もない平原が続くパタゴニア。
風をしのげる場所などほとんどないが、たまにバス停や小屋が現れ、そこで休んだり、眠ったり。暴風が吹き荒れている時はこれがないとかなりきつい。

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プンタアレナスからの初日は終始強風が吹き続けたが、予定していた分岐まで歩く。
おかしな話ではあるが、追い風もあったし、横風や向い風の時は必死に歩いていた分、無風状態の時より快調なペースだった。
しかしとてもテントを張れる状況ではなく、バス停で眠る事も考えたが、近くのガソリンスタンドの主人が寝床を提供してくれた。屋根壁に守られた小屋で眠らせていただく。ありがたい。グラシアス。

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翌朝は微風。
にも関わらず終始暴風が吹き荒れていた前日より歩行ペースは遅い。

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道脇にはタンポポが咲いていて、春の訪れを感じる。

DSC_1991_R.jpg

2日目も無人の小屋を見つけて眠る。
南アフリカを歩いていた時は日没が近付くにつれ安全な寝床を確保できるか不安に感じる毎日だったが、パタゴニアで最も大きな不安は暴風。
強い風が吹いていたらテントは張れないし、夜間に突如風が強まる可能性があり最悪テントの破損なんて事があるかもしれない。風を防げる小屋、あるいはテントを張るにしても何らかの障害物を風よけにしたい。
過信しないという意味では早々にパタゴニアの暴風を経験できたことは良かった。

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