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ALKINIST -あるきにすと- Viña del Mar

Viña del Mar 



サンティアゴから西を目指したのはこの宿が目的だった。
ビーニャ・デル・マールの汐見荘。

中南米には日本人宿が点在する。
かつてバックパックを背負って旅していた時、そんな日本人宿の名前は口コミで広まっていて、バックパッカーの間ではよく知られていたのだが、汐見荘もその一つ。

1970年代に自転車でヨーロッパなどを走られたご主人が1990年に始められた宿。
ご主人が旅していた時代の話、インターネットが普及した現代と昔の旅人との違いなど、当時の話を聞かせてもらうのはとても興味深い。
最も長い人で5年滞在し、数か月の滞在は当たり前だったけど、現在は1カ月も滞在する人はいないのだとか。現代の旅行者がしているのは『旅』ではないと言われた。

インターネットが急速に普及し始めたのは2000年頃だと思うけど、パソコンを携帯している旅行者はとても少なかったし、WiFi環境も整ってなく、SNSもスマホもない時代。
旅人が集う宿には情報ノートが置かれ、それを頼りに情報を交換しながら旅をした。

情報が少なく困難な事が多かったであろう沢木耕太郎『深夜特急』の時代に憧れた事もあった。しかしほんの十数年前の事だけど、現在より旅しているという手応えを感じられる良い時代だったなと思う。
インターネットの普及により便利な時代になり、その恩恵を受けているが、その利便性と引き換えに失われたものは確実に存在する。

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長い海岸線を持つチリであるが、宿からは海を見渡せ、魚市場も徒歩圏内。

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カモメだけでなく、アザラシもいる。

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市場の人が桟橋から魚を捌いた後の不要な切り身などを捨てるので、ごちそうにありつくべく、桟橋下で待機しているのだ。


「土曜日が最も魚が多い日で市場が賑わう」と宿のチェックイン時、ご主人に教えてもらった。
しかし到着した日は日曜日であり、3泊で出るつもりだった自分には関係のない話だと思っていたのだが、気が付けば7泊目、土曜日を迎えてしまった。

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市場へは3度出かけ、サーモンの刺身、アサリの炊き込みご飯と新鮮な海の幸に満たされている。土曜日の今日は刺身、炊き込みご飯に味噌汁。
炊き込みご飯はツナ缶、サバ缶をそのままぶち込んでも十分に美味しいので今後のキャンプ生活のメインメニューになる事必至。
この作り方をマスターしただけでもここへ来た甲斐があるというものなのだ。