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ALKINIST -あるきにすと- Coquimbo

Coquimbo 



「食料を買えるところはない」と聞いていたが、たまに村は現れるし、ないという事はない。
地図を広げれば確かに地名が載っているけど、フエゴ島やルート40を歩いていた時、地名がある場所に何もないという事があったので、地図を信用せず、補給地点がない事を前提に考えている。
信用できるのはそこそこ大きな町とガソリンスタンドくらい。

この日、90キロ振りのガソリンスタンドが現れるはずであり、しかも夕方というタイミング。
「これはガソリンスタンド泊だな」とテントを張る気満々であった。
いつもと変わらぬ海に近い褐色の大地を横目に歩いているとカーブが現れた。
大きく曲がった後、目の前に現れた景色に思わず「おおっ」と素っ頓狂な声を上げてしまった。

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突如現れた街。まさかこれだけの規模の街があるとは思っておらず。
延々と続く荒野の先に現れた景色だったので尚更驚いた。
驚愕するのも程々に考えた事は一つ。
シェルはこの街の中にあるのか……。

ルート5上のガソリンスタンドはサービスエリアも兼ねているので、たいていの場合、大型トラックなどが夜を過ごせる広い駐車スペースがある。
いつもその片隅にテントを張っているのだが、この規模の街にあるガソリンスタンドでテントを張れるのだろうか。
もう少し手前で足を止めるべきだったと思いつつも、街に近付いていく。

やはりシェルの敷地には広い駐車スペースがなく、テント設営を断念。
向かいにもガソリンスタンドがあったので、裏側に回ってみれば十分な駐車スペースがあり、さらには一張りのテントがポツンとあった。

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テントの主はホームレスのようなそうでないような怪しげなおじさんで「隣にテント張りますね」と挨拶。
するとおじさんはガソリンスタンドの店員でもないのに水場へと案内してくれ、先輩らしく水の使い方を教えてくれた。
おじさんはその後もちょくちょくテントから顔を出し「問題ないか?」と気遣ってくれた。

ちなみにガソリンスタンドにテントを張る時、店員に許可を求める事はしていない。
テント設営の許可を求めて断られた事があったのと、トラックが夜を過ごせるだけの駐車スペースがある場所ならテント泊しても問題ないだろうという判断。
問題がありそうな所にはテントを張らないし、問題になった事もない。

ガソリンスタンドの許可を求めずに、ホームレスのようなおじさんに一声かけてテントを張るというのも変な話なのですけど。