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ALKINIST -あるきにすと- イーニン

イーニン 

イーニンに来ている。

ルート上から外れるイーニンに。
コルガスより遠い場所に位置するイーニンに。
訪れる予定など全くなかったイーニンに。

コルガスを目の前にルート変更しただとか、イーニンの街を見たかっただとか、そういう事ではなく、イーニンを訪れた理由、

それは車軸がぶっ壊れたから。
真っ二つにポッキリと折れてしまったから。

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前日より気になっていた車輪の違和感。
当初はボルトの締め付けが悪いのだろうと考えていたのだが、
昼食後、20キロ先の町を目指し、「さあ行くか」と意気揚々に食堂を出る。
気になっていた車軸の事を思い出し、チェックしてみれば、ボルトはしっかりと締まっていたものの、車輪を外して判明した事実、


車軸折れ。


コルガスまであと100キロ、
カザフスタンまであと100キロ、
中国での歩行残り100キロというところでのトラブル。

たまならい。

なぜこのタイミングでトラブルに見舞われるのか。

見なかった事にして、先へ進もうとも思ったのだが、ここでしっかりと修理しておかないと、この先さらに大きなトラブルにつながりかねず、新しい車軸を探す事にした。

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しかしながら、トラブル発生地は商店が2軒あるだけの小さな村。
こんな所に車軸を売っている店などあるはずなく、荷物を預かってもらい、バスに乗り、イーニンへと向かった。

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車窓からは湖畔に咲き乱れる黄色いタンポポの絨毯、雄大な山々、
本当ならこの日のうちに到着していたであろう町、
それらをバスの車窓から眺める事になってしまった事が本当に悔しくて。

ただ幸いだったのは、中国ビザに余裕があり、切羽詰った状況ではなかった事。
そしてこのタイミングでのトラブルであった事か。

もし昨朝、車輪をチェックしていれば、沢山の荷物を抱えたまま、周囲に何もない高速道路のど真ん中で途方に暮れていた事だろう。
それに関しては前向きに捉えたいと思った。
本当に良かった。

車軸復活後、歩くであろう道。
延々と悪路が続いていた。
その道をバスが走る事、およそ3時間、
イーニンに到着。

日が傾きつつあり、西日に照らされたイーニンの街、
どこに何があるか分からぬ、勝手の知らぬ街での車軸探しが始まった。

とりあえず、3軒の自転車修理屋を回った昨日、
同様の車軸は見つからず。
次第に暗くなり、並行して探していた宿探しも難航。
10件近くの宿を訪れるも宿泊拒否の連続。
ものすごい強風が吹き荒れ、さらには雨が吹き付ける。
何もかもがうまくいかず、途方に暮れる。

24時間営業のファーストフード店、あるいはネット屋でもあれば、そこで一夜を過ごそうと、寝床探しを開始したところ、幸運にも1軒の宿に辿り着く事ができた。

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1泊10元、4ベッドある部屋の先客はすべて中国人。
贅沢は言っていられない。
雨風をしのげる場所を見つけられた事がありがたい。

そしてイーニン2日目の朝、
できれば今日のうちに荷物を残してある村へ戻りたい。
そして明朝から歩行を再開できればと。
しっかりとした車軸を見つける事ができればいいのだけど、最悪の場合、代用品でごまかして。

ではそろそろ車軸探しへと出かけます。