ブックマーク
ALKINIST -あるきにすと- 故障の要因

故障の要因 



前日よりも暑く、何度も木陰に逃げ、座り込んだ。
無理をすれば熱中症になり、体調を崩すのは明らか。
暑さに加え、単調な景色にモチベーションは下がり、何もかも投げ出したくなる。

「クソ暑く、単調でつまらない景色の中を歩いて終わる1日なんて本当にクソみたいな1日だな」と思う。
「もう歩きたくない」と思ったのは豪州のスチュアートハイウェイ以来。
嘔吐しながら歩いたエジプト、スーダンやケニアの砂漠では日中は歩く事ができず木陰に逃げ込み、朝夕のみ歩き続けた。
あの時に比べたらまだ楽な環境なのに随分と暑さに弱くなってしまった。

1日50キロは歩きたいと思っているのだが、この暑さなら40~45キロでいいかなと思う。
商店が少ないのはきついけど、ようやく現れた商店で冷たいコーラを買って喉を潤すのは至福の時。

IMGP5678_R.jpg

13時半に到着したAcacoyaguaで昼食。
まだタコスは食べていないというのにメキシコに入り2度目のホットドッグ。

IMGP5682_R.jpg

とても小さな町なのだが、ホットドッグ屋の主人が「この先に何やらあるから写真を撮ってこい」としきりに勧めてくれた。
たいしたものはないはずだけど、商店で水を補給したかったので、中心の方へ向かう。

IMGP5687_R.jpg

すると公園の中央に「殖民記念」と刻まれた碑が現れた。
たまに目にする事がある中国人の移住を記念したものか。
ホットドッグ屋の主人が言ったのはこれの事だろうか。
「ハポネス(日本人)」と言ったのに中国人と間違われたのだなと思い、少しがっかり。

IMGP5689_R.jpg

しかしその後商店で水を買い、公園の裏側に回ったところ、碑の裏側に日本語が刻まれているのに気付く。

「夏草や つわ者共の 夢の跡」

中国人ではなく、日本人の殖民記念の碑だった。
それにしても心に沁みる句だなと思った。
この地に移住し開拓してきた日本人移住者の苦労に比べたら、自分の現状など大した事ないわけで、もう少し頑張ろうと前向きな気分になる。

後日知った事なのだけど、メキシコの日本人移住者の歴史はブラジルやペルーよりも古く、このAcacoyaguaが最初の開拓地。当然ながら想像を絶するような苦労があったとの事。

IMGP5711_R.jpg

しかし暑さにやられ、疲れ気味なので、40キロ歩いたところで早々にテントを張る。
この辺りはガソリンスタンドやドライバー向けの食堂が並ぶドライブイン的な所だった。

IMGP5702_R_20171002051719d80.jpg

「裏にテントを張りたい」と伝えると、「毒蛇がいるからここにしろ」と、車の整備屋のおじさんが屋根下にテントを張る事を快諾してくれた。
毎晩のように雨が降るので屋根はありがたい。

ホースシャワーを浴びさせてもらい、汗を流してすっきり。
2日連続、アンティグアを出てからの9日で4度もシャワーを浴びている。
毎日テント泊ならこれはかなりの高頻度。

IMGP5697_R_20171002051717a8b.jpg

早めに足を止め、時間があったので、破損しているインソールを補修。
アフリカ以来2万7千キロくらい使い続ければこの通りボロボロ。

今回の膝の痛みは3カ月振りの歩行、1000メートルの下り坂と要因はいくつかあるのだが、最大の要因はインソールにあるかもと考えたのだ。
2009年に歩き始めて以来、SUPERfeetというインソールを提供していただき使用しているが、中米に入ってから破損したため、市販品のものに交換した。そして今回の膝の故障へと至ってしまう…。
これまで7万キロ近くを歩いてきて故障などほとんどなかったのにどう考えてもおかしい。
「たかがインソール」となめた気持ちがあった事は否めない。しかしこのインソールが7万キロ近い歩行を支えてくれているのだと再確認できた。布テープで簡単に補修しておく。