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ALKINIST -あるきにすと-

Tapachula 



前夜テントを張ったガソリンスタンドの先に国境があるものと思っていたけど、トラック専用らしく、Ayutlaという町の国境へ行くよう言われた。5キロ歩いてイミグレへ。

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ニカラグア以降の中米諸国の国境にはいつも川があり、国境線の役割を果たしていたのだが、ここもまた然り。
渡し船のようなものがいくつも見える。現地人は両国間を自由に行き来できるのか?
少し気になる。

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そしてメキシコ入り。

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雨がパラパラと降っていて、国境の町で歩くのをやめようかと思ったけど、タパチュラを目指す。


メキシコ入国後、約40キロを歩いてタパチュラ着。
とりあえず持っているお金は国境で余ったグアテマラ通貨を両替して得た40ペソだけ。
1ドル当たりのレートも知らないし、どこに宿があるのか、これからどこを目指しどのようなルートを歩くのか、分からない事だらけ。

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ATMでお金を引き出す必要があるのだが、いくら必要なのだろう…。
荷物も全て外に残したまま、銀行へ行くのは嫌だなと思っていたら、コンビニの前に米ドル・ペソの交換レートらしき紙が貼られていて、ここで両替できるわけではないけど、ドル払いは可能で、お釣りもペソでもらえるようなので20ドル払ってコーラを買い、ペソを得る事ができた。

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寝るためだけのためにお金を払って宿に宿泊する気にはなれず、消防署へ行ってみる事にした。消防署がダメなら街を抜けて、どこかでテントを張ればいいくらいの気持ち。

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ありがたい事にテント泊を快諾していただき、筋トレルームにテントを張らせていただく。

前へ 



朝のマサテナンゴ。
マクドナルドもありまずまずの大きさの町。

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しばらく歩くと噴煙を上げる火山が見えた。
しかしフエゴ火山より小さいし、山の形も良くない。
フエゴ火山の素晴らしさを再確認する。

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約20キロ歩いて分岐。
左に進めば国境。標識には"MEXICO"の文字が見える。
右へ進めばグアテマラ第2の街シェラ(ケツァルテナンゴ)がある。

膝の状態が良くないのでシェラで静養する事も考えたのだが、3カ月足を止め、ようやく歩行再開したばかりだというのに早々に休養するのは気が進まない。
完治させたうえで歩くべきなのは分かりきっているけど、少しずつでもいいから前へ進もうと思った。

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夜は小さな村の屋根下にテントを張る。
42キロ歩き、久々の40キロ越え。

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アンティグアから6日目。
相変わらずの膝の痛みだが、いつもの80パーセントのスピードでなら歩ける。

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メキシコとの国境は2つあり、近い方から入国予定。
国境まで40キロ。翌朝メキシコ入り予定。

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昼食はチキン。

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約49キロを歩く。
膝の状態は万全ではないけど徐々に良くなっている。

Mazatenango 

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膝の状態が良くなっている事を期待したが、歩き始めてすぐに痛みを感じ始めたのでサポーターを装着。
2009年に歩き始めた時から何かあった時のために備えてずっと持ち続けていたものだけど、8年かかってようやくこいつを使う時がきた。
どれだけの効果があるのか全く不明。気休めでもいいと思っている。

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ところどころ道路に大きな穴が開いていて、それを補修し、通行する車にチップを求める人の姿を何度か目にする。
普通に仕事があればこんな事をしてる暇はないと思うんだけど、仕事がなくて暇なのか、こうやってチップをもらう方が金になるのか、そんな事を思いながら通過。
スコップを動かす時間より、車に向かって手を差し出してる時間の方が長いんじゃないかと思った。
見た限りでは金を渡している人などいなかったのだけど。

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San Antonio Suchitepequezという長ったらしい名前の町に到着し、チキンを買う。約1ドル。

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食べる場所がなかったので消防署の前で昼食。
これだけの大きさの町なら水道水は飲めるだろうと思い、念のため消防署でも確認。

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すると「飲めるよ」と水道がある場所を指差した。
さすが消防署。消火器型の水道だった。

ここで水を補給し、0.5リットルくらい飲み、今後に備えて新たに水を補給していたら、別の消防隊員がやって来て「その水は飲めないぞ」と言われ、消防署内のウォーターサーバーから水を汲むよう言われる。
さっきの「飲める」という言葉は何だったのか…。

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町を抜けた先で雨が降り、2時間雨宿り。

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食堂近くの屋根下で雨宿りをさせてもらったのだが、食事まで出してくれ、ありがたい限り。

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その後2時間、マサテナンゴ郊外まで歩き、ガソリンスタンドにテントを張らせてもらう。
歩行距離33キロ。

Rio Bravo 



アンティグアから2日目。
昨夕は雲に隠れていたフエゴ火山が見える。
昨日で見納めだと思っていたので嬉しい。

前日の1000メートルの下りによる足の痛みは残っていて、さらには腰も痛い。
暑さにもやられたのか体調も万全ではないし、精神的にもきつい。

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「今日はもうダメだ」と思い、13キロ歩いたところの木陰で寝転がり、1時間半読書。
ちなみに読んだ本は青山繁晴『平成紀』。

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その後も何度も足を止めながら歩き、Santa Luciaという町のチキン屋で昼食。

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街を抜けた先でテント。
歩行距離29キロ。


3日目。
やはり膝の状態は良くなく、下り坂で痛みを感じる。
そのうち平坦な道を歩いているだけでも痛み。
これまで7万キロ近く歩いてきたけど、こんな事は初めて。
歩き始めて10日目に腱鞘炎になった以外に足の故障、痛みを感じた事はない。
よってこの日も無理せずセーブして歩く。

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昼頃、Cocalesという小さな町に到着。

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昼食。
3ドルくらいかかるので、グアテマラの食堂で食事をとる事はあまりしないのだけど、お金が余っているので。
水を補給しようとしたら「飲める水はない」と言われた。

食後、休憩ついでに木陰でしばらく読書。
歩行再開前にすぐ近くの商店で水を買おうとしたら、「金はいらない」と水をくれた。

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やはり長距離は歩けず。

夕方Rio Bravo近くに到着。
ガソリンスタンドが2軒あったが、いずれも24時間営業ではないとの事。
ガソリンスタンドをあてにしているのでこういうのは非常に困る。

すぐ近くに車の整備屋があり、その隣には広い空き地。
テント設営をお願いしてみたが、渋られ、あきらめたのだが、直後に激しい雨が降り、しばし雨宿り。

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すると経営者家族が現れ、一転してテント泊OKという展開になる。

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「中華料理は好きか?」と尋ねられ、炒麺をごちそうになりました。
ちなみに経営者は中国人でもグアテマラ人でもなくメキシコ人だった。

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歩行距離32キロ。

アンティグア脱出 



アンティグアでは3カ月近く足を止めていたけどようやく脱出。
滞在中は火山を見にアカテナンゴに4回登ったり、民族が暮らす村などを訪れていた。

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アンティグアの先、シウダービエハから見たフエゴ火山。
今の時期は雨季なのだが、朝から午前中にかけての早い時間はよく見え、その後雲に包まれていく事が多い。

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とりあえずエスクイントラまでの30キロ程は前にも歩いた道を戻る事になる。

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前回は上りに苦労したけど、エスクイントラまで1000メートル超の下りなので余裕。

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3カ月前、テントを張らせてもらった教会。
建設途中だったけど、3カ月もたてばずいぶん立派な外観になっていた。

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エスクイントラまで下る。
3カ月振りの歩行だけど、下りが多いし、とても順調なペース。
しかし低地に来たからかやはり暑さを感じ、足に痛みと疲れを感じ始めた。

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42キロしか歩いてないし、まだ15時と歩行を終えるにはまだ早すぎる時間だったのだが、ガソリンスタンドが現れたのでテントを張らせてもらう。
シャワーもあるし、まるでキャンプ場のように快適なガソリンスタンドだった。

Volcan Fuego 

夜1時過ぎ、建物の揺れに気付き、目を覚ました。
暗闇の中、ミシミシと嫌な音が響く。
じっと息を潜め、揺れがおさまるのを待ち続けた。

グアテマラの建物はレンガを重ねただけの簡素なもので、日本の耐震基準を満たしたものなどないに等しい。
「ここにいて大丈夫なのだろうか」
揺れが鎮まった後は猛烈な不安に襲われた。
すぐにでもこの宿を出て、どこかにテントを張った方が安全じゃないかと思った。

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アンティグアはかつてグアテマラの首都だった。
しかし1773年、大地震により町の大部分が破壊され、遷都されたという歴史を持ち、大地震から250年近く経った今でも崩壊した教会や修道院が放置されたままだ。

20年超グアテマラで暮らしている宿の主人曰く「グアテマラに来て以来最も強かった」という今回の地震はマグニチュード6.9。
さらにその1週間後にもマグニチュード6.8の地震があった。



地震は火山噴火を誘発すると言われ、その関係性は深い。
だからかアンティグア近郊にあるフエゴ火山は活発で、町からも噴火を見る事ができる。

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フエゴ火山の隣のアカテナンゴ火山に登れば、噴火を眺める事ができ、連日ツアーが催行されている。
アンティグアを訪れる前からフエゴ火山の噴火を間近で見る事を楽しみにしていたのだが問題は雨季という季節。
天候が安定しないこの時期に満足いく噴火を見る事はできるのか……。

とりあえず行ってみないと分からないので、ツアーには参加せず、1人でテントを担いでアカテナンゴ山に登ってみる。

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約5時間歩いた先でフエゴ火山とご対面。
モクモクと噴煙を上げる迫力ある噴火を見れたものの、夜間はガスに包まれ視界不良。
時折轟音と共に真っ赤な光が見えるのだが、イマイチ。

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翌朝、天候が回復するのを期待したが願いは届かず。
雲海は美しいのだが、正直雲海なんて富士山で飽きるくらいに見てきたし、サンライズも火山も見えず、消化不良のまま下山する。

復路は道を誤ったため、2時間以上も時間をロスしてしまった。
やはり個人で来るとこういうのが怖い。
後日またアカテナンゴに登る事になるのだが、この道を間違えた場所には2つの道があり、正規ルートは狭く、広い道が誤ルート。何も知らなければ広い道の方を選んでしまうはず。看板もなくとても分かりにくい道だった。

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2度目の登山は天気予報をチェックし、絶好の登山日和の日を選ぶ。
今回は3976メートルの山頂まで登った。

1月に山頂でテントを張っていたグループのテントが強風によって飛ばされた。
雨に打たれた彼らの体は瞬く間に冷え切ってしまい、6人が低体温症で亡くなるという事故があった。
キャンプ場にテントを張るか、山頂に張るか、悩みどころだったが、危なそうなら引き返すつもりで山頂へ。キャンプ場から山頂への最後の500メートルの道がきつかった。

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1月の事故の後、雨風をしのげる避難小屋が設置されていた。

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テントを張れるだけのスペースがあったので、小屋の中にテント設営。
外に張るのとでは寒さが全然違うし、夜は雨が降ったので、救われた気分。
夜間の噴火を眺めるため、外へ出ようとしたが、2メートル先は見えないくらいに視界は悪い。
小屋の場所を見失う事はないと思うが、ライトで周囲を照らしても灯りが届かない。
山頂はそこそこ広いため、小屋へ戻る事が難航しそうだったため、外へは出ず。

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翌朝、視界が回復していたので外へ出てみると、轟音と共に噴出されるマグマを見る事ができた。
噴火を眺めながらサンライズを待っていると、続々とツアー客がやって来た。

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そして日の出。

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すっかりフエゴ火山の魅力に憑りつかれてしまい、その後もアカテナンゴに登り、計4回ここを訪れた。
3、4回目は夜間の噴火を見る事ができ、寝る間を惜しんでフエゴ火山を眺め続けた。4回目にいたっては雲やガスに覆われる事がない絶好の条件下だったので、昼過ぎにキャンプ場に着いてから深夜2時まで12時間も火山を見ていた。

これだけ登ればルート上のどこに何があり、どこが最もきつくて、楽か、携帯すべき水の量など把握しているし、登山のペースもかなり早くなり、現地人ガイドには名前と顔を覚えられるまでになった。

同宿の旅行者からは「なぜそんなに?」と尋ねられるのだけど、フエゴ火山に魅せられたからとしか言えない。あるいは地球の鼓動にはまってしまった火山ジャンキー。

アンティグアにいてもフエゴ火山の方に顔を向ける事は多いし、毎日天気予報をチェックしている。

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間違いなく中米のハイライト。
南米も合わせてこの感動を超える光景があるとしたらペルーのワスカランくらいしか思い浮かばない。

アンティグアへ 



目指すアンティグアへは20キロ程。
歩き始めてすぐ、噴煙を上げる火山が見えた。
日の出の時間と重なり、ピンク色に染まった火山はとても美しく、短い間隔で何度か噴火した。
アンティグアから近いところにフエゴ火山という活火山がある事は知っていたが、実際に目にしてみると感動的だ。
この景色を眺めながら歩けたら上り坂など苦にならず楽しいに違いないが、次第に雲が空を覆い始め、やがて火山は姿を消した。

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10キロ歩き、アロテナンゴにて朝食。

ここからしばらく歩くと上りは一段落。結局この日は600メートル程の上りだった。
やがて町へ入ると路肩がなくなり、歩きにくくなる。

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アンティグアの中心へ入ると石畳の道。
風情があって良いのだが、リヤカー引きにとっては決して嬉しいものではなく、ガタガタと上下させ、とても歩きにくい。
特にこのアンティグアの石畳はひどすぎる。ボコボコ。